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キモノは別腹

コンビのイラストレーター『スタジオクゥ』の イラスト付きキモノよもやまと無駄話                                    

世にも恐ろしい光景

週末のイベント情報に話がそれましたが、うちのひろし君(我が父)も心配しているようなので、続きを・・・

2008年10月伊勢木綿日本橋三越15

伊勢木綿の出店から戻った私が見た、世にも恐ろしい光景とは・・・

うぎゃっ!

崩壊した帯

崩壊した帯です・・・。涙

帰宅後、するすると帯を解いてハンガーに架けようとしたところ、帯裏の黒い繻子地に白い柄の様なものが見えるではないですか。
おや?っと思った次の瞬間、それが破れた繻子地の間から見える帯芯であることを知りました。

どんな奇声を発したことかと思われるでしょう・・・が、実は私、声も出さず、しばし帯を睨みつけて

『これは絶対的に崩壊している・・・』

と確認をして、そのままハンガーに架け、部屋を出るなり、記憶の扉を閉めてしまいました。
再度記憶の扉を開いたのは、翌日の夜になってから。
裂けた帯を前に思ったことは・・・やれやれ、またひとつ仕事が増えてしまったワ・・・。

古着とつき合うにはいろいろな試練があります。
襲って来る敵は、汚れやサイズの問題であったり、時にはこんな自爆テロのような大崩壊劇であったりもします。

焦らず騒がず、次なる手を考えねばなりません。

朝、締めた時には、見た目には全くの無傷の帯でした。
しかもこの日は、帯結びが気に入らなくて、一度解いて結び直してもいるのですが、格別兆候らしい兆候は見受けられなかったのです。

布が裂けるような音もしなければ、糸が切れるような抵抗感もなかった。
こんな風に音もなく崩れ去るとは・・・。

丁度この日、臼井さん
『腐る(朽ちる)寸前の布がどんなに柔らかいか・・・』についてお話ししたところだったのですが、その時、私自身が締めている帯が、まさに腐っている最中だったとは・・・灯台下暗しというかなんというか・・・。

オリジナル伊勢木綿初卸し3

・・・とここまで書いて、少しだけ思い出したことが!!

確か、結ぶ際に「今日は帯がよく滑る・・・」と思ったのです。
なんと説明すればよいのでしょう、いつもなら帯を締める時、布と布の繊維がキュッと噛み合って止まる感じがするのですが、巻き付けた帯がフワフワと胴の上で上滑りするような感じだったのです。

あれが腐る直前の感触だったのか・・・!?。

帯の形を維持するのは、その日が限界だったのでしょうねぇ。
私の体から不穏な物質が放出されて溶けたとも考えにくいですし、そうであっては欲しくないし。苦笑

幸いなことに表地は無傷ですから、直せばよいのではありますが、どういう道筋を取るかが問題ですな・・・やれやれ。

くすぐったい治療

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コメント

あらら…すごい状況ですね!

そういう私も,つい先ほど繻子の帯を繕っていたところなのです…(;_;)
何カ所か,エッジのところにスレのひどいのができて,
芯が覗いてしまって。
でも愛着があって,どうしても諦められなくて。

何かいい方法があればぜひ教えていただきたいです!

布が、腐る

すごい表現ですね。でも、使い切ったということなのでしょうか。
木綿物は、腐る直前が気持ちいいですね。枕カバーとか、シーツとか、パジャマとか。全部寝る関係ですね。今着てるパジャマは10年ぐらい着てる。ネルは長持ちするなあ。
果物か、ワインのような・・・
すみません、貧乏くさいうえに関係なくて。

やはりここは・・・

いろんな素材のものから作る帯は休止なさってるとはいえ、通常の帯は
受けてらっしゃるということですからやはりカクマさんでしょうか?
表地が大丈夫なら帯皮として裏をどうするか、いっそれえすの花さんのところで
裏地になるようなものを見繕ってリバーシブルの昼夜帯なんていうのは?
黒地のトランプ柄、すごく良かったです。

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むさま

エッジの擦れも辛いですよね。

今回の私の帯に関しては、帯裏の繻子地は、再生不可能な状態ですが、エッジだけであれば、いろいろと再生の道はあると思いますよ。

帯幅を狭く仕立て直したり、作り帯にしたり、別の布と継いだり・・・。

以前に私がカクマさんでお願いした大手術のような感じで、一度解いて、裏打ちをされた後に、新しい裏布からくるむようにしてエッジを補強されるのも手だと思います。

以下で詳細を見て頂くことが出来ますので、ご参考になれば・・・。

http://studiokuubetsubara.blog69.fc2.com/blog-entry-28.html

http://studiokuubetsubara.blog69.fc2.com/blog-entry-29.html

http://studiokuubetsubara.blog69.fc2.com/blog-entry-30.html

http://studiokuubetsubara.blog69.fc2.com/blog-entry-31.html

http://studiokuubetsubara.blog69.fc2.com/blog-entry-32.html

状態にもよるとは思いますが、バラバラになってさえいなければ、きっと方法はありますよ!!

・・・と思ってはいるのですが、悩ましいのは、どこまで手を掛けるか・・・という点ですよね。苦笑
古着については、いつもこれが一番の悩みです。

ひよっこさま

あぅ・・・、それは、すごく魅惑的な提案ですよ。

カクマさんにお願いするのが、一番よいだろうなぁ・・・っと私も思っていたのですが、お忙しそうだしなぁ・・・とか、自力で直すとなると生地をどこで手に入れるかなぁ?・・・などと考えておりましたが、れえすの花さんのインクジェット生地を使っての再生は、思いも及びませんでした。

目からウロコどころか、目玉が飛び出す話だったらどうしましょう。苦笑

返す返すも、れえすの花さんの展覧会に行くことが出来なかったことが悔やまれますよ。

ひよっこさんのそのアイディア、頂いてしまうかもしれません。
ひとまずは、れえすの花さんのHPで布のサンプルが上がるのを待つことにいたしましょう。

展覧会のお写真から、いくつかお気に入りはあるのですが、帯の裏表となると、布の相性もありますものね。

ひよっこさん!罪つくりな方ですねぇ。笑

あっくまさま

私も瓶モノは開けるのが好きですが、着るものはクタクタが好きですよ。
バスタオルも、使い始めの1年くらいは嫌々使って、どうにか育てるって感じです。
厚地のブランドタオルは、なかなか育たなくてイライラします(笑)

関係ないですが、私の実家では「東海テレビ」のノベルティのバスタオルが人気でした。
どうしてそれが実家にたくさんあったのかは不明ですが、大きくて薄地、使い込むほどに吸水の良くなるイイ感じのタオルでした。
デザインはともかく・・・・(光の三原色のど真ん中にでっかい1の数字だった)。

腐る直前のバスタオルっていいでしょうね~。
でもたいていゴワゴワになっちゃうんですよ。

日記のご紹介,ありがとうございました!
ものすごーく,熱く読みました(^^;;
すごい技術があるものですね…カクマさん,れえすの花さん,共によくサイトを眺めては,ステキさにため息をついていたのですが…。

後は,どこまで手をかけるか,その判断ですね(;_;)
安く手に入れたから,その分手入れにお金をかけるのか,
それとも使い切ってしまうのか…。
本当に悩ましいところです。

決心できたら,またご報告します。

むさま

少しでも希望を見出して頂けたのでしたら、幸いです。笑

カクマさんやれえすの花さんのお仕事は本当にうっとりですよね。

とはいえ、どうしようか?ああしようか?と考えるのは楽しい時間ですから、むさんも楽しんで帯を再生させて下さいね。
ブログにアップされるのを楽しみにしております。

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Author:ひよさ
コンビのイラストレーター『スタジオクゥ』のひよさです。
近頃は更新が滞り気味ですが、お気楽キモノのブログとしてスタートしたこのブログも、開設から16年目へと突入しました。相変わらず、相棒うにさと、女ふたりの同居生活をしながら、コミックエッセイを描いたりしています。ブログでは私ひよさが文章担当。イラストをうにさが担当。時々アップされる『うにさの別パラサイト』もお楽しみに♪
鼻緒のご紹介は主にInstagramとTwitterに上げています。
Instagram@studiokuu_hiyosa_unisa

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ひよさ@kimonobetsubara

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About STUDIO Kuu(中文)

HIYOSA與UNISA是插畫家搭檔。 HIYOSA是個和服狂熱者,正實踐著「和服生活」,將和服融入日常。 UNISA雖然無法憑一己之力穿和服,但她繼承了許多家人的和服,是一個對和服頗有好感的和服新手。 HIYOSA與UNISA從2007年開始經營和服部落格「買和服是另一個錢包」,大受歡迎,因此融合漫畫與散文,創作了《和服女孩 日本微旅行》。 兩人不只是工作夥伴,在生活中,也是日本少見的合租室友。 她倆從2013年的冬天開始,在網路藝文誌MATOGROSSO連載的漫畫「一人的兩人生活」,將於2014年冬天由日本出版社EAST PRESS出版成書。

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