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キモノは別腹

コンビのイラストレーター『スタジオクゥ』の イラスト付きキモノよもやまと無駄話                                    

初めての手ぬぐい作り5

さて、またしばらく間が空きましたが、スタジオクゥ初の手ぬぐい作りのお話のつづきです。

型彫り師の木内愛さんから小倉充子さんの工房に出来上がった型紙が届き、この日は充子さん指導による紗張り実習です♪

まずは、前述の「ツリ」を切る作業。

股旅縞紗張り1

型紙に紗張りをする前に、運搬用の補強として付いている余分な「ツリ」を取り除き、最低限必要なものだけ残すための選定をしています。(もちろん充子師匠が・・・。笑)

股旅縞紗張り2

赤い「ツリ」の上に、黒いペンで数ヶ所印が付いているのが解りますか?
この黒の印以外を全てカッターで切り落とすのです。

型をはさんで、うにさととふたり、セッセセッセとカッターナイフを動かし、数分後。

「あっ・・・、やっちゃった!!」

うにさではありません、私です。
切っちゃイケナイと思うと、そこにそこに手が向かうのですよ・・・。汗

「どれどれ??」と充子さん。
「ここなら、まぁ、大丈夫かな??」

再び作業に戻り、セッセセッセ・・・、残りはあと数本!!

「あーーー!!」

はい、最後の最後にまたしても私です。汗

「どれどれ??」と再び充子さん。

一番下の、猫の足先に、あるべきハズの「ツリ」がなくなりました。

股旅縞紗張り3

「う~~ん、ココかーー。ここは残って欲しかったなぁ~。」

そ、そうですよね、私もそう思って守り続けていたのですけれど、最後に、・・・あら?もう一本残ってる・・・っとサクッと切ってしまいました。(あ゛ー、自分が一番信用ならない。涙)

自らハードルを上げつつ、充子師匠を頼りにいよいよ作業は紗張りへと進みます。

型紙の表面を上にして、薄~い薄~い紗の生地を布目の水平垂直が整うように乗せ、紗に皺が出来ないように、型が歪まないように注意しながら、カシュー塗料を素早く刷毛で塗るのです。

ここで、充子師匠の華麗な刷毛さばきがあるのですが、うにさは見惚れ、恐れ知らずの私は自らも手を出そうとして止められ、シャッターチャンスを逃してしまいました。

感じとしては、パネルに紙を水張りをする時のように、素早く均一に塗料を全体に拡げるような動きでございましたよ。

昔からの方法ですと、紗張りには本漆を使うのだそうですが、今は、乾燥も早く扱い易いカシュー塗料が使われることが多いようです。

そして、すぐさま型を吊るして乾燥させるのかと思いきや・・・、ここからが、意外に忙しかった!!

股旅縞紗張り7

塗料が乾き始める前に、刷毛を使って、写真の赤丸で見られるような紗の目詰まりをコショコショと取り除いて行きます。

股旅縞紗張り4

これには、参戦!!笑

塗料が乾いて来ると、ダマになるので、ここは本当に素早く丁寧に!!

一気集中の目詰まり取りが終わって、塗料の表面が少し落ち着いた頃に、再び型を机の上に戻し、紗張りのために残した「ツリ」を1つ1つ取り除いていきます。

股旅縞紗張り5

紗を切らないように注意が必要!!

股旅縞紗張り6

ようやく作業終了で、あとは乾くのを待つばかり♪

股旅縞紗張り8

ひ「充子さん、これいつも一人でやってるんだよね??」
み「そうだよー。」

さ、さすが、やるな~小倉充子!!

文章で読むと、簡単そうに思えるやもしれませんが、助手が2人か3人いるならともかく、手ぬぐいよりひとまわり大きいサイズの紗を、たるみ無く目を揃えて短時間で張るのって、ひとりではかなり難しい作業でございますよ・・・。驚

紗張りをすることで型の強度が増すのはもちろんですが、この紗張りの出来不出来が、次の染めの作業に実は大きく左右するのだそうですから、紗張り専門の職人さんがいるのもうなずけますわ。

型彫りや染めの陰に隠れてあまり注目されない紗張りの作業ですが、かなり重要と見ました。

充子さん!!一日駅長ならぬ『一日師匠』ありがとうございました!!

え?ホントの弟子ならすぐに破門ですと??まぁ、そう言わず、また遊んで下さいまし。苦笑

次はいよいよ染め工場??

あぐ


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コメント

手ぬぐい作るの大変なんだねえ。。。
うっわ〜、ワタシも切っちゃ行けないとこ切りそう (^-^;;

うにささんのマンガ、どうなるの?(?_?)
すっげー興味津々なんすけど。。。

うにささん新宿にいってるのか

つい数日前に、箱寿司の看板を横目に、おにぎり屋に走りました。
箱寿司・・・気になったんだけど、そのときはもう「ここでおにぎり補給」
と心が決まっていたよなぁ。次こそは。

>感じとしては、パネルに紙を水張りをする時のように…
これがわかる人は限定されとる(笑)

ツリ…サクッといっちゃうんですよねぇ…(経験者・涙)
私、カシューの匂いが好き♪と言って師匠と先輩方に驚かれました(笑)

香子さま

崖の側を歩いていたら、どんどん体が引き寄せられてギリギリのところを歩いちゃうとか、笑っちゃいけないシチュエーションでどうしても笑いたくなるとか・・・そういう感じに似ています。( ̄ー ̄;

あっくまさま

西新宿から新宿へ。ロケハンなしで適当に。笑
京王新宿の屋上に上がるのになんで地下に降りたかとういうと、スバルの目がどうしても入れたかったという。
それで、入れたいおやつが入れられなくなったりして。
何やってんだ自分?・・・・・・と何回か思いました。笑

AMASさま

ああ、私もおだむすびによく行きました!
電車に乗っている間にこころが決まるんですよねえ、わかります。
箱寿司は一昨日も食べました。笑
あそこの三角が好きなんです。もちろんバッテラも。

櫻子さま

あれ??ダメ??
中学の美術でパネルの水張りをしたので、おおむねOKかな??って思ってました。
確かに・・・通じないかもしれない・・・。( ̄Д ̄;

ゲン♪♪さま

確かに、カシューの匂いがお好きなのは珍しいかもしれませんね。
私は墨汁の匂いが好きです。なので、龍角散の匂いも好きです♪似てると思いません??

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Author:ひよさ
コンビのイラストレーター『スタジオクゥ』のひよさです。
近頃は更新が滞り気味ですが、お気楽キモノのブログとしてスタートしたこのブログも、開設から16年目へと突入しました。相変わらず、相棒うにさと、女ふたりの同居生活をしながら、コミックエッセイを描いたりしています。ブログでは私ひよさが文章担当。イラストをうにさが担当。時々アップされる『うにさの別パラサイト』もお楽しみに♪
鼻緒のご紹介は主にInstagramとTwitterに上げています。
Instagram@studiokuu_hiyosa_unisa

Twitter
ひよさ@kimonobetsubara

うにさ@unisastudiokuu

About STUDIO Kuu(中文)

HIYOSA與UNISA是插畫家搭檔。 HIYOSA是個和服狂熱者,正實踐著「和服生活」,將和服融入日常。 UNISA雖然無法憑一己之力穿和服,但她繼承了許多家人的和服,是一個對和服頗有好感的和服新手。 HIYOSA與UNISA從2007年開始經營和服部落格「買和服是另一個錢包」,大受歡迎,因此融合漫畫與散文,創作了《和服女孩 日本微旅行》。 兩人不只是工作夥伴,在生活中,也是日本少見的合租室友。 她倆從2013年的冬天開始,在網路藝文誌MATOGROSSO連載的漫畫「一人的兩人生活」,將於2014年冬天由日本出版社EAST PRESS出版成書。

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