キモノは別腹

コンビのイラストレーター『スタジオクゥ』の イラスト付きキモノよもやま                                        

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お手入れ事情を考える3

さて、予定より長くなってしまいましたが、本日もお手入れのお話。

昨日は丸洗いについてのお話でしたが、本日は洗張りについて少々。

洗張りとは、大雑把に言えば、キモノを解いて水に通して『洗い』、張板や伸子(しんし)や湯のし等で布の歪みを『張り』直す、キモノ独特の洗濯法です。

細かい方法論についてはここでは述べませんが、得意とする汚れは何か?

そうです、水で洗うのですから、もちろん落ちるのは水溶性の汚れです。
丸洗いとは間逆で、油性の汚れは基本的に落ちません。

では、もし自分のキモノに油汚れと水汚れの両方が混在していたら?
あるいは、何が由来か解らないシミのついたキモノを手に入れたら??
どういう手順でお手入れを進めるのが良いのでしょう??

めんどくさい見栄を張る

間違ったお手入れを選んで、そこに熱が加われば、シミはより落ち難いものへと変化してしまうのですから、運命の分かれ道ですね。

現在のところ、私が経験から得た回答としては、丸洗いでもなく、洗張りでもなく、まずはシミ抜きとして悉皆屋さんに相談することです。

実は、先日お話した扇屋さんでお願いして見事シミを取ることが出来たおキモノ以外にも、この手順でお手入れに成功した経験があるのです。

そのおキモノの場合は、更に別の悉皆屋さんでありましたが、古い食べこぼしと思しき大きなシミ抜きをお願いし、「テスト」をして「出来ます」との回答があり、その上で、白地のおキモノでしたのでシミを抜いた箇所が綺麗になり過ぎる可能性があるので、全体を丸洗いさせて欲しい・・・との打診がありました。

このおキモノは、ブログには何故かまだ登場させたことがありませんが、綺麗にシミ抜きもされ、お手入れとしては大成功でした。

自分で汚れの性質を見極められない以上は、まずは、プロに汚れの性質を見定めてもらうことが大事なことの様に思われます。

そしてその性質が見定められないようであれば、別の悉皆屋さんにも意見を聞くこと。

時間も手も掛かりますが、絶対に何とかしたい・・・と思うキモノであれば、ここは頑張りどころです。

もちろん、一番最悪なのは、出来ないことを出来ると言って生地を駄目にされてしまうことですから、「出来ない」と言われた場合は素直に、「返却して下さい。」と言うことが大事。

「シミ抜きは出来ない」という返事が、『絶対的に』出来ないのか『うちの店では』なのかを確かめるまでは、何もしない方がいい。

ここで「では、出来るところまで・・・(洗張りのみ)」と言ってしまったことが、私のトラブル発生の起点であったように思います。

時間と手間と財力と

そして、最後に、私が今回のことでもう1つ反省した点についても加えておきたいと思います。

『京都』ブランドについて。

私がお手入れを失敗した理由のひとつに、コレがあったと思うのです。

京都のお店だから、ある程度のクオリティが保証されているのではないか?キモノの扱いに慣れているのではないか?

今思えば、かなり浅はかな発想なんですよね。

たとえ京都という土地が伝統文化の上に成り立っているとしても、京都にあるもの全てが、それらを継承し、満たしているとは限らない。

しかし、過去に、実家の広島の悉皆屋さんから「うちは、京都に仕立ては出してますから心配ありません。」と言われたことがあるように、なんとなくキモノの世界には『京都』ブランドってあると思うのです。

ああ・・・じゃあ、大丈夫なのかな??みたいな・・・。

昔、北海道出身の友人に「『北海道産』って書いてあると、何でも美味しそうに見える・・・」と言ったら、「北海道産の不味いものもいくらも知ってるから、私はそんな風には思えない・・・」と返されたことがあります。苦笑

地元の事情に詳しい方が惑わされないことでも、外側から見ると確証の無いイメージに左右されることってあると思うのです。

実際に、今回の扇屋さんのシミ抜き教室の相談コーナーで、もう一人私以外に可哀想なおキモノを携えて来られた方がいらっしゃいましたが、その方の口からも「京都でお願いしたんですけど・・・」との言葉が漏れておりました。

もちろん、京都でちゃんとお仕事されている方にとっては、とても失礼なお話をしているとは思いますし、全てを括ってお話するつもりはありません。

むしろ、ちゃんとしたお仕事をされている方は、京都の名前を付けていい加減なお仕事をされている方達に対しては、外に出さないだけで厳しい気持ちを持っておられるかもしれませんね。

そんなわけで、今回の件は、消費者としての自分に甘さがあったことも、忘れてはならない点だと思った次第です。(あ・・・でも、怒ってない訳じゃないですよ!人並みに怒ってます!!ガルルルル~~~・・・。)

京都ブランドと関係ないのでは


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コメント

奥が深い

今回は色々勉強になりました。ありがとーございます。

かなり染みだらけのお着物をリサイクルショップで購入しました。柄が気に入ったので、帯にでもと思い、なあーんにも考えず、ネットで探した最安値のお店に洗い張りをお願いしました。
思ったより綺麗にならなかったのですが、染み抜きを頼んだら、それこそ天文学的金額になりそうでしたし、結局良かったのかなとも思っています。半幅帯と半襟にしようと思っています…

確かに時間と手間とお金をかければかけるだけ見返りはあると思いますが、どこまでかけるかは人によっても、物によっても違うと思うので、常に最高を求めるかは、その時々で決めていけばいいのではないかと思いました。
ただ知らないことが多すぎるので、やはり勉強は必要ですねー!

やっぱり何をするにも

知識とお金と時間がかかるのだと、勉強になりました。
悉皆屋さんと出し方を再考しようと思いました。

あと、なか卯はコストパフォーマンスいいと思います。肉うどんが好きです。

参考になりました

今回の一連の記事は、とても参考になりました。洗いにもこんなに店によってやり方が違うなんて、驚きです。どう見極めるかですね。

うちの母は、自分や祖母の着物をお手入れして仕立て直すことには、慎重でした。万単位の経費をかけて直すより、新しいものを買う方がコストパフォーマンスがいいのでは、という考えです。まあ、よっぽど良質の着物だったら別ですが、(うちにあるような着物は、そんなに大したことないはず」と思っていたようです。
でも、わたしが祖父や祖母の着物を仕立て直ししたときは、喜んでましたけどね。

「思い入れ」が、価値を決めるんですね。

今回のひよさんのお着物の件、とても参考になりました。
今、丸洗いにしようか洗い張りにしようか考えている着物があるのですが、
プロの方とよく相談しながら、何がその着物にとってベストなのか考えたいと思います。
でも断る勇気も必要かなと思ったりもしています。

八王子育ちさま

はい、私も同感です。
キモノの質や状態、思い入れなども含めて、お手入れや活かし方を細かく考える必要がありますね。

今回のことはショッキングな出来事でありましたが、そんな算段が出来る点がキモノ楽しさみたいなところもありますし。v-238

へこたれませんぞ!!笑

のの吉さま

私自身のお手入れ再考に、皆さんにお付き合い頂いた感じで申し訳ない限りです。笑

大事なキモノであっても、一度のお手入れに高額を掛けるのは腰の重いお話です。

とはいえ、お手入れが億劫で箪笥の肥やしにしてしまっては、元も子もありませんから、着る方も、悉皆屋さんも、そのキモノと長く付き合える方法を探せたなら、理想的だと思います。(探したい・・・。)

なか卯のうどん・・・ああ・・・今、食べたい。笑
広島の『むさし』も全国チェーンになるといいのになぁ・・・。

あっくまさま

役に立たないことをホジャラホジャラと書くのが常のうちのブログですが、少しでもお役に立てたなら幸いです。笑

我家にあるキモノは、殆どがそのものの価値ではなく「思い入れ」で整理されているので、今後の行く末を決めるのに困難を極めそうな予感ですよ。

今更ですが、今回の洗張りすらされていなかったおキモノは、みささんの(うにさのお婆様)のおキモノでして・・・。
しかも、晴着ではなく、普段着でお気に入りであったであろうおキモノだったのです。

これ、難解でしょう。涙

まだまだ諦めないぞ!!

ちとりさま

ご返事が遅くなりましたが、良い着地点が見つかりそうですか?

いろいろと書きましたので、悩みを大きくさせてしまっていたらごめんなさい。

お手入れを急ぐ汚れもあるとは思いますが、コノ↓キモノの例の様に、かなりの時間が経過していてもお手入れの手順さえ間違えなければ蘇るものもあります。

http://studiokuubetsubara.blog69.fc2.com/blog-entry-346.html

じっくりと悩んで、良い策を講じて下さいましね♪

きっと、良い結果が出るに違いない!!

目から鱗

初めて、コメントさせて頂きます。トラといいます。
僕はクリーニングやしみ抜きをする側なので、
興味深く拝見させて頂きました。
僕もこれが言いたかった!
目から鱗です。
また、拝見させていただきます。

トラさま

ご返事遅くなり申し訳ありませんでした。
そして、はじめまして、いらっしゃいまし♪

今回の東日本大震災で被災されたキモノ達のお手入れで、悉皆業の方達もおおわらわだとお話を聞きます。
ポツポツと発信されておられる業者の方もいらっしゃいますが、是非、海水や泥を浴びたキモノへの応急処置やお手入れの手順など、専門家でなければ発信出来ないアドバイスがありましたら、お教え頂けると幸いです。
きっと必要とされている方がいらっしゃると思いますし、私も知りたいです。(笑)

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Author:ひよさ
コンビのイラストレーター『スタジオクゥ』のひよさです。
相棒のうにさの心配をよそに、日々、着物に蝕ばまれた生活を送っています。
どんなに疲れている時も、どんなに怒っている時も
キモノは別腹!
うにさのイラストも見所!「がんばって描いてね~」 byひよさ

召しませキモノ

スタジオクゥ初のコミックエッセイ

オールカラーの全編描き下ろし。 2014年8月に台湾の智富出版より繁体字中文翻訳版も発売されました!! 『和服女孩 日本微旅行

About STUDIO Kuu(中文)

HIYOSA與UNISA是插畫家搭檔。 HIYOSA是個和服狂熱者,正實踐著「和服生活」,將和服融入日常。 UNISA雖然無法憑一己之力穿和服,但她繼承了許多家人的和服,是一個對和服頗有好感的和服新手。 HIYOSA與UNISA從2007年開始經營和服部落格「買和服是另一個錢包」,大受歡迎,因此融合漫畫與散文,創作了《和服女孩 日本微旅行》。 兩人不只是工作夥伴,在生活中,也是日本少見的合租室友。 她倆從2013年的冬天開始,在網路藝文誌MATOGROSSO連載的漫畫「一人的兩人生活」,將於2014年冬天由日本出版社EAST PRESS出版成書。

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