京都旅行2008-キモノ屋行脚の巻・その5
(珍品の袋物についての詳細は『三重からの珍品その1・その2・その3』をご覧下さい)

籠部分にも金具にも傷みはありません。
傷みがあるのは上部の布部分だけ。
ところが布を張り替えるにはどうしても金具を外さなければならないのです。


しかし、この金具を留めてある細い釘のようなものは、内側でつぶしてあるので容易に抜くことが出来ないのです。
金具を壊して外したとしても、代わりの金具がありませんし、元よりこの金具にこそ価値があるのですから、壊しては意味がありません。
では傷んでいる布の上から新しい布を張るのはどうか?

これもNoです。本来の布には全く強度がありません。
補強をしたところで、底から布を回してしっかりとくるんで布を留めないのであれば、袋の中に物を入れた時に、ものの重みで布は裂けて籠から下が落ちてしまうでしょう。
表面的な補強だけでは袋物としての機能を再生することが出来ません。
底に布を回すには、どうしても金具を外すことが必要なのです。
金具の代わりはなく、金具の扱いは袋物屋さんの仕事の範疇には入らないので断られるのも無理はありません。
そんなこんなで予定していた袋物の修繕は頓挫し、前日までは持ち歩いていた袋物の現物も『正尚堂』さんをお訪ねした時には、ひとまずは諦めて宿に置いてきていたのです。

うにさが言わんとしたのは、ここ『正尚堂』さんのような古物を扱われるお店であるならば、何かよいお知恵を拝借出来るかもしれない、ということでした。

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コメント
最終案
BBさま
父ひろしからも、ドリル案がメールで送られてきました。
最終的には、やはりそれですかね・・・。
鏡が近いところにあるので、それの保護をしなくてはいけませんね。
ちょっと勇気は入りますが、最終手段として考えてみますね。
できるかな?
リベットの頭をドリルで削って飛ばすって感じかな?
金属の素材にもよると思うけど、ドリルがあらぬ方向に向かないようにしなくてはね。
箱と、金具の他の部分を破損しないように、板かなんかをかませて、万力みたいなもので固定しておくのがいいかな・・・・・・。
相方が、歯医者用のドリルを持っているけど、それがいいかしら。どうかしら。
私は工具は好きだけど、技量には自信がないから(不器用・・・・・)、私がやってやる!って気にはならないの(笑)BBやってみる?
なんか出来そうな気がするね!
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金具部は、ひよささんご自身で!という方法を想像してみました。
釘の頭をつぶしてあるの(リベット)を、つぶしてある側からドリルで穴を開けて金具を外し、(布部の修繕が完了後)その穴の径と同じ太さの軸のリベット(ホームセンターなどで売っています)でかしめる。
穴を開けるのはちょっと勇気が入ることと思いますが、ピンバイスにドリルの刃を入れて手でゆっくり回せば、大丈夫かと。あと、リベットの軸と本体と金具の穴の径がピッタリで、リベットの軸の長さを、挟むものの厚みから、ちょっとだけはみ出る長さに切るのがポイントになるかと思います。(伝わりますでしょうか・・・)
銅のリベットなら扱いやすく仕上げも黒っぽい色にできると思います。なので、見た目もさほど変わらず仕上がるのかなぁ・・・と。