今週末からの催事いろいろ
1つ目は、大好きな暮らし家さんから。

『暮らし家 冬の感謝市』
2014年11月28日(金)~12月7日(日)
期間中4日(木)休業日
10:00~18:00(通常より1時間営業時間が短いので気を付けて!!)
暮らし家店内にて(八王子市長沼)

八王子から引越しをして、すっかり暮らし家さんから足が遠のいていると思われていることと思います。
・・・が、ブログにアップ出来ていないだけで、実は結構マメに通っております。笑
時間が無いのには弱いですが、距離には結構強いの・・・


一番最近は、お店の方ではなく10月に新宿の京王百貨店で開かれた『季節を楽しむ レトロ着物と古道具』を覗いて参りました。しかも混雑していない日を狙って台風の日に・・・。苦笑

厳重にパッキングして頂いて、御所人形達の帯を連れて帰りましたとさ。

2つ目は元気な女子が集まる『Kimono Rock5』。

『Kimono Rock5』
2014年11月29日(土)12:00?20:00(18時からオープニングパーティ)
2014年11月30日(日)12:00?18:00
原宿ギャラリーズーマン
参加:和次元滴や・CHOKO・iroca・きもの番長・ハイカロリイオトメ・Yuminique・Rumi Rock

*30日(日)14:00~参加メンバーによるトークショー『おしゃれはどこから?』
予約不要、入場無料でワンドリンク付
詳しくはKimono Rock5専用facebookをご覧下さい。
先日の『日本橋キモノ事件簿』のご報告もまだ出来ておりませんが、実は『Kimono Rock5』にも参加される『きもの番長
松田さんのブログでは既にご紹介して下さっておりますが、ご一緒にこんな写真を撮りましたよ♪

水色のアンティークのおキモノが松田恵美さん。
そのお隣のもう一人の美人さんは、これまたイラストレーターの千葉照紗さん。
浴衣のデザインの他にも、色々と面白いことを手掛けられております。(要ブログチェック!!)
4人揃ってイラストレーター♪笑
お仕事でライターさんやカメラマンさんと一緒になることはあっても、他のイラストレーターさんと一緒になることはほぼ無いので、私達、案外同業の知人って少ないのですよ。声を掛けて頂いてとっても嬉しかったです♪そして、おふたりともとても可愛らしかった・・・

松田さんは着物乙女のLINEスタンプも絶賛発売中ですので、LINEをお使いの方はこちらも是非に!!
3つ目は、LUNCOさんのとっておき企画『ドラマチック デコ ヌーボー』。

『ドラマチック デコ ヌーボー』
2014年11月29日(土)~12月3日(水)
12:00~19:00
目白LUNCOにて

なんと、今回の催事では、最新号『KIMONO姫12 キモノ・スタイル・ブック編 (祥伝社ムック)
小物もいつも以上に充実しているらしいですよ♪
私がLUNCOさんを前回お訪ねしたのは『秋のきまぐれHappy Sale』のご案内をブログに上げた直後のこと。
実は、我家で、ちょっとした事件がありました。
うにさ「あの大津絵の帯・・・メチャメチャかわいいよね。」
ひよさ「そうなんだよ、かわいいんだよー。」
うにさ「何で連れて帰って来なかったの??」
ひよさ「へ?」
うにさ「アレは、うちにあるべきだと思う!!」
ひよさ「そりゃ、そうだケド、台湾から戻ってすぐだし懐事情が・・・ゴニョゴニョゴニョゴニョ。」
うにさ「お誕生日に半分出すから、買っておいでよ!!」
ひよさ「え??えーーー???」
というようなやりとりがありまして、大津絵の帯はめでたくうちの子となったのでありました。(櫻子さんごめんなさい!!)

自分でピックアップして紹介しておいて、お恥ずかしい展開ですが、過去にも一度、こんなことがあったような・・・。苦笑
3つの催事、ハシゴで行くには少し距離がありますが、いずれも楽しい出会いがあるに違いありませんので、是非お出かけ下さいまし♪

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初めての手ぬぐい作り4
小倉充子さんを通して、型彫り師の木内愛さんにメールでモノクロの下絵を送った私達。
型を彫る上での細かい注意点なども、充子さん任せで愛さんに伝えて頂き、再び大船に乗ったような気持ちで、型が彫り上がるのを待っておりました。
しかも、行程を写真に撮って送って下さいなどという我儘ぶり。
これが愛さんが出力された下絵。

モノクロで送ったものが明るい色になっていますね。
彫る絵によって一様ではないそうですが、今回は細かいパーツが多いため、目に優しい色味を選ばれたのだとか。(スミマセン・・・。汗)

下絵は、型紙に細工蝋やスプレー糊等で接着するのが一般的だそうですが、どうしても刃が重くなるため、マスキングテープで要所要所を固定して進める方法が、愛さんのお好みだそうです。

写真の赤い箇所は下絵には無いものですが、何だか解りますか?

これは『ツリ』と呼ばれるもので、型がバラバラにならないよう付ける命綱のようなものです。
例えば、下絵の中に、飛び地になっている場所があったとしましょう。
もしツリを付けず、下絵通りに型を切り取ってしまうと、その部分だけが抜け落ちてしまって、紗張りをする際に正しい位置が解らなくなってしまいます。
紗張りをするまで、型が迷子にならないように、しっかり型を守ってくれるのです。
更に、この『ツリ』があることで型自体が丈夫になりますから、たとえ周りと繋がっている図柄であっても、ツリを付けて補強しておくことが輸送の際にはとても大事なものなのだそうです。
ただし、最終的には全てツリは取り去らなければならないものですから、たくさん付ければ良いというものでもありません。次の作業への渡し方の加減というものが、やはり存在するのです。

最後の一枚を抜いて、型紙完成!!

梱包までは、窓に貼っておくのが一番安全・・・だそうです。笑

愛さんからは、『道中合羽絣地獄(どうちゅうがっぱかすりのじごく)』の外題を賜りました。汗
ちなみに、充子さんは『猫又』とお呼びです。
ええ、ええ、お好きにお呼び下さいませ。
でも、正式名称は『股旅縞』でございます。
次回は紗張り!!

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初めての手ぬぐい作り3

次なるは小倉充子師匠の登場♪
下絵を見た充子さんからは、具体的なアドバイスが入ります。
「大凡は大丈夫だと思うけど、猫の目とか、もしかすると潰れちゃうかもね・・・。」と、なんと、危なそうなところにチェックを入れて戻して下さいました。

うわ~、赤ペン先生降臨やわ♪♪(喜んでる場合じゃない!!)
他にも左右に彫りシロが1.5cmづつ必要なことなど、細かい注意を頂いて、更に
「愛ちゃんに型彫り頼んであげようか?」
「ええ??お願い出来るの??」
愛ちゃんとは、私達の台湾イベントにも同行して下さった、型彫り師の木内愛さんのことです。
私達が『召しませキモノ
現在はひとり立ちをされて、少しづつ仕事を増やしながら、型彫り師として研鑚を積む日々を送られています。
実は、愛ちゃんとは丁度1年くらい前に、これまた小倉さんの別のお弟子さんの結婚式で同席したことがありましたから、面識もありました。

2014年の小倉充子さんの干支手ぬぐい『馬尻東風』をお持ちの方は、是非ごらん下さい。
『小倉染』の印の横に『愛彫』の印を見つけることが出来ます。

これは木内愛さんが型彫りを担当されたという印です。
そんな愛ちゃんに、うちの手ぬぐいなんぞをお願いしちゃってもいいのかしら??
更に充子さんからは「型が出来たら、紗張りは一緒にやろう♪」との提案。
うわっ、なんだか体験学習みたいになって来たぞ!!
充子さんからのアドバイスを参考に、イメージが大きく変わらない程度に股旅の数を減らして、どうだろう?版がつぶれる危険は軽減されたかしら??

次回は型彫り師木内愛さんの実際のお仕事の様子を写真でご紹介したいと思います。

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オーダーメイドの羽織紐
正真正銘の『熊の爪』でございます。

いい鍵爪っぷりでしょう♪
昨年の11月のこと、父ひろしと母やすこが我家に遊びに参りまして、うにさと4人で群馬の温泉に出掛けてきました。
その時に会った熊・・・ではなくて・・・
帰り道に立ち寄った道の駅の1つで見つけたのが、こちらのストラップ。

あぁ・・・、なんて残念な。
素材としては面白いものなのに・・・、この熊の爪は、もっとステキになれるハズ!!と思うと、求めずにはいられなかったのであります。
そして私、田中衡機工業所のビルオープニングレセプション会場の片隅で、櫻子さんに「これを、残念じゃない状態にしてやって下さい!!」という謎かけのようなオーダーをしてしまったのでした。
くすっっと笑って櫻子さん「じゃあ、預からせてね♪」
フフッ、腕に覚えアリと見た!!笑
数日後、試作品として送って下さった写真がこちらです。

シンプルな根付に大変身。
おお!!残念な感じが完全に払拭されているではないですか!!
この時点で、既に100点満点の出来でしたので、そのまま頂こうかと思ったのですが、その変身ぶりに感激したうにさから「こうなったら、ギリギリまで傾(カブ)いてもらったらどうだろう??」の一言。
既に、櫻子さんのお手並みを拝見することが楽しくなっている私には、それはそれは素敵な提案♪(櫻子さんにとっては迷惑千万・・・。)

途中、全く路線の異なるデザインの提案までして下さったりしながら、イカした羽織紐に仕上げて下さいました。

実は、この羽織紐、ブレスレットにも出来る長さになっている上に、チェーンと組み合わせれば首元も飾れるというデザインなのです♪

(これが最終型)
こころやさんの催事『ココロのよそおい』で関西に初お目見えとなる櫻子さんの「和コモノ*Sakurako」ですが、個人の作家さんならではの小回りの利くオーダーの楽しさなども妄想して頂けたなら、更に楽しく拝見出来ることと思います。
そうそう、こころやさんのブログや、櫻子さんのブログに、今回の催事に出品される作品の写真がアップされておりますよ♪
櫻子さんへ、一緒に遊んで下さって、ありがとうございました。
とってもとっても気に入っております!!
父ひろし&母やすこ様、びっくりしたでしょう♪熊爪は立派になりました。
え?熊爪ストラップが売っていた道の駅ってどこか知りたいと??
残念・・・って書いちゃったから、悪くて明記出来ません。(どうしてもお知りになりたい方は、メールにてご一報下さいませ。苦笑)
・・・しかし、今年の春にアップしようと思って書いていたのに、アップ出来たのが11月だなんて・・・自分にがっかり。

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大阪『ココロのよそおい』にて
この手ぬぐい制作のサポートもして下さったこころやさんの催事『ココロのよそおい』にて、関西初売りをさせて頂くこととなりました。

只今、発送準備中!!

秋の展示会「ココロのよそおい」
2014年11月21日(金)~24日(月)
11:00~18:00
*22日(土)は17時まで
マルゼンボタンギャラリー2F
大阪市中央区島町1-1-2丸善ボタンビル2F
京阪電鉄・地下鉄谷町線 天満橋駅4番出口すぐ

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敢えて今、呉服屋らしい展示会をやろうと思いました
心と想いを展示する会でありたいと思います
少し大人でエレガントな雰囲気を目指します
年末のパーティーに始まり、新年の会食、そんなイベントに合うアイテムもご用意しております
ゆったりとおくつろぎ下さって、心ゆくまで着物の世界をお楽しみ頂きたいと思いおります
とは言いましても、粉浜のココロヤのすることですから、まったりしたエベントになるは必定、ご存じの通り決して強引な商いは致しませんのでご安心頂きたく
また今回は天満橋での開催でございますから、都心でございますので、これを機会にどうぞお気軽に覗きに来て頂ければと思います
こころや好みの着物や帯の数々に
・和うららの二部式帯
・洒落水引の小物たち
・東風杏のガラスの帯留
・関西初御目見得「和コモノ*Sakurako」のアクセサリーたち
そして着物さくさくの須賀さんが、Tシャツ型の新しい半襦袢を考案なされましたそうで、その発表会も同時開催致します
色とりどりの美しさ、楽しめること請け合いでございます。どうぞ遊びにいらして下さいませ
開催までには、当ブログでも諸々の情報を引き続き発信いたしますから、ご覧ください
(こころやブログ2014年11月7日より引用)
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ギリギリまで自分達の体ごと大阪に動けないものか?と悶絶しておりましたが、ゴメンナサイ、今回は行くことが叶いません。涙
詳細がこころやさんのブログに次々と上がっておりますので、是非ご覧下さいませ♪
さて、お気づきの方もいらっしゃることと思いますが、今回のイベントで、関西初売りは私達だけではないのです。
いつもコメント下さる櫻子さんの『和コモノ*Sakurako』もこころや初売りなのでございます♪(そう、今日はこれが言いたい!!笑)
以前に櫻子さんのグループ展の際に作品をご紹介したのを覚えていらっしゃるでしょうか?
人気上昇中でひっぱりダコの櫻子さんですが、実はオーダー品の受注もされております。
え?何で今そんな話をするかと??
うふふふふ。

コレコレ。

前の冬に、オーダーで作って頂いた羽織紐でございます。
さあ、問題です!!
バロックパールがちりばめられておりますが、真ん中の勾玉状のものは何でしょう??
あ・・・、今日中に話が終わらなくなっちゃった・・・。苦笑

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『小倉染色図案工房展 於 麹町』&『フィリピンの手仕事』展
不慣れな私達ですが、芝崎るみさんの巧みな司会進行で、大変楽しい時間を過ごすことが出来ました。
会場の様子など、また改めてブログでご報告したいと思いますが、ひとまずはお礼まで。
お会い出来た方々はもちろん、不在時に訪ねて下さった方々、行きたかったよ!とコメントでメッセージを下さった方々にも、次回は新刊とともにお会い出来ることを願って、仕事に励みたいと思います。(まだまだ、描くことに必死でイベント等はノーアイディアですが・・・。汗)
さて、本日は緊急のイベントのご案内です。
明日・明後日2日間だけのイベントになりますので、皆様お見逃しなく!!

『小倉染色図案工房展 於 麹町』&『フィリピンの手仕事』展
~山本まつよ蒐集によるアバカ(芭蕉布)、籠、織布いろいろ~
2014年11月15日(土)11:00~20:00
2014年11月16日(日)11:00~18:00
竹ノ輪ルームにて
東京都千代田区麹町1-6麹町保坂ビル4階
(地下鉄半蔵門線半蔵門駅から徒歩2分)
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先日は、「日本橋キモノ事件簿」にたくさんのご来場をいただきまして、誠にありがとうございました。 さて、会期が2日間と短かったため、見逃した方、着物やら下駄やら小物の発注やらをゆっくりしたかったけど、できなかった方もいらっしゃたのではないかと思います。そこで、2014年11月15日(土)、16日(日)の2日間に渡り、小倉染色図案工房のある麹町保坂ビルの4階スペースにて、絵羽・型染捺染きものの受注販売や、帯、下駄花緒、江戸袋物、ネイルチップなどを展示販売します。どうぞお気軽に遊びに来てください!また、同会場にて「フィリピンの手仕事展 山本まつよ蒐集による」も開催させていただきます。児童書翻訳、家庭文庫の振興、児童文芸のセミナー主催、季刊『子どもと本』の編集長として知られる山本まつよ氏が、およそ30年に渡り蒐集したフィリピンの手仕事、籠類・アバカ(芭蕉布)はじめ、織布いろいろ、アクセサリーなどを展示販売します。そのどれもが貴重な逸品です。是非この機会にご覧になってください。皆様のご来場を心よりお待ちしております。(小倉染色図案工房HPより引用)
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実は昨日、私、御用があって小倉充子さんの麹町の工房をお訪ねしておりました。
そんなわけで、搬入の様子を写真にしっかり収めて参りましたよ♪

こちら『日本橋キモノ事件簿』で新作として発表された絵羽『今昔日本橋』の写真ですが、このキモノの正面肩口に

江戸城があったのはお気づきでしたでしょうか??(私は気づいておりませんでしたワ・・・。)
急な催事ですが、こういうところに気付ける展示になっているようですよ♪
今回は、手ぬぐいの後ろにも

下駄の後ろにも、フィリピンの布が満載。

山本まつよさんによって集められたフィリピンの手仕事と一緒に、いつもの小倉充子展とは異なる空間が出来上がっております。

張りのあるアバカ(芭蕉布)は、そのままでももちろん素敵ですが、帯に仕立て換えたらかなりステキなものになりそうでしょう


そのまま、ストールに使える柔らかな布や、

偶然にもほぼ半幅帯と同じ幅の織物などもあったり、

お茶人には嬉しい籠物もたくさん。

これなんて、茶箱にどうかしら??

お花入れに良さそうな、しじみ取用の籠なんてのもありましたよ♪

こちらは乱れ籠に使えそうなサイズです。

期間は短いですが、是非、お時間を作ってお出掛け下さいまし!!

え?私ですか??目の詰まった大きな笊を1つ決めて帰って参りましたとも。

お先に御免!!笑
本日は、急ぎのご案内のため、うにさのイラストはお休みです。
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初めての手ぬぐい作り2
私達は本日は参加出来ませんでしたが、会場の様子が少しづつ専用facebookに上がっておりますよ♪
小倉充子さんの新作絵羽やネイルもinstagramの方に♪
不慣れながら、明日は、私達も参加させて頂きます。
会場でお会い出来ますように!!
さて、初めての手ぬぐい作りのお話の続きです。
ここからは、私達の手ぬぐいが出来上がるまでを、順を追ってお話しましょう。
まずは、仕上がりサイズと、下絵の大きさなどについて確認をして、デザインを考えます。
たった1枚と思うと、アレもやりたりコレもやりたいと妄想は膨らみ、二転三転どころか五転六転しながら、辿り着いたモチーフが「股旅」。笑

うにさが描いた原画は、こんなに小さなものでした。
手ぬぐいづくりにかこつけて、市川崑監督の『股旅』や『木枯し紋次郎』のDVDを引っ張り出し、ふたりで仁義を切る真似などしながら、進めている間は呑気なものでした。
実は、当初、私、無謀にも型を自分で彫ろうと考えていたのです。
でも、自分の技術で出来ることには限りがあるし、そもそも、台湾までに間に合うのかしら??
こころやさんに相談したところ「あかん!やめとき!!初めてなんやし、ちゃんと職人さんに作ってもろて繰り返し使える型にせなあかん!!」と1枚目のイエローカードが出ます。
自分で型を彫るという魅惑的な状況は白紙に戻りましたが、でも、自分で彫らないとなると、足枷が取れたように急激に気持ちは軽くなり頭は解放方向に・・・。
そうだ、技術的なことはもう考えなくっていいんだわ♪せっかくだから、自分じゃ絶対彫らないような柄にしよう♪♪
かなり能天気な状態になっておりましたが、手ぬぐい制作に関わったことのある方ならば、これが私に第2のイエローカードをもたらすことにお気づきのことでしょう。
手ぬぐいを作る上で、最もコストが掛かるのは型代なのです。
複雑で手の掛かるものと、単純で時間の掛からないものが同額のワケが無い。
ま、そういうことに頭が働かない愚か者の私は、イソイソと自分じゃ絶対彫りたくないと思える下絵を作ってしまったのであります。
それがこの状態。

同じ股旅がいっぱい。
しかも、同じに見えて、実は中央左の雨の形は、少しづつ異なるという、嫌~な嫌な図案です。
愚かなのはうにさも同様。型彫り師さんに任せるのだから、大丈夫やろ♪と、ふたりですっかり安心しきっておりました。
職人さんとの仲立ちをしてくれるこころやさんに下絵を見せたところ、当然のように2枚目のイエローカードが出ました。
こ「なんでそんな儲からへんことばっかり考えんねん?」
ひ「あ、ん・・・、いや、自分で型彫りしないって思ったら、いろいろ忘れた・・・。」
こ「あかんやん!」
ひ「あかんねん・・・。」
電話でたっぷり2時間、トクトクと絞られます。
こ「型代下げるには、機械彫りにする方法もあるけど、このデザインやとデータ作るのも時間掛かるし、手彫りと時間的にもコスト的にも変わらんようになるかもよ。」
ひ「うーん、コストは押さえたいけど、台湾には間に合わせたいの!!」
こ「・・・。ひよささん、自分でデータ作り。」
ひ「そ、それは・・・、今は時間的に無理。」
こ「ほな、急ぎで誰か頼める人おらへんの?」
ひ「むむむむむむ・・・・。」
ここで話しているデータとは、いわゆるベクトルデータのことです。
出版の仕事をしている方にはお馴染みの言葉ですが、一般的ではないかもしれないので、簡単に説明しておきましょう。
デジカメやスキャナなどでPCに取り込まれたデータは、小さなドット(点)の集合体で出来ていますが、ベクトルデータというのは、座標軸を持った線や面の集合体で作られたデータのことを言います。
要は、手描きの下絵を、PCのソフトを使ってトレースする作業をすることにより、機械のカッターに指示を与えることの出来る『情報』に作りかえる必要があるという会話をしているのです。
確かにこころやさんの言われる通り、職業柄この作業を自分ですることは可能なことでした。
もちろん、染屋さんにデータ化する作業をお願いすることも出来ますが、当然自分でやった方がコストは押さえられます。
しかし、すでにスケジュールにそれを組み込む時間的な余裕がありません。
では頼める知人がいなかったのかと言えば、飛びきり上手にその仕事をこなすことが出来るであろう友人が頭に浮かびはしましたが・・・むしろプロ過ぎて、急ぎの仕事は申し訳なくて頼めない・・・。汗
こ「ほな、少し割高になっても手彫りにした方が、ええね。台湾に間に合うように逆算して、染屋さんに型を渡すタイムリミットは8月中旬やね。」
ひ「了解!!充子さんにも見てもらってから、下絵仕上げるわー。」
つづく

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初めての手ぬぐい作り1
日本橋キモノ事件簿の開催も近づいて参りました。
会場の場所が解らないとコメント頂きましたので、リンクを張っておきます。
どうぞ下記で確認下さい。
日本橋コレド室町3・3F橋楽亭
私達のトークイベントは平日月曜日になりますから、お仕事のございます方々には、無理をなさらず日曜日にご参加下さいまし!!(お会い出来ないのは残念ですが、メッセージなど残して頂けたなら、私達は大変喜ぶことと思います。笑)
さて、台湾のお話はもう少し続ける予定ですが、イベントに向けてスタジオクゥ初の手ぬぐいのお話をば。
この一年、天然藍灰汁醗酵建てに挑んでいたことは先日お話し致しましたが、2014年の私の夏は、うにさから「いったい君は何屋なんだ?」と言われる程に、染色三昧の夏でございました。
藍の世話は毎日の仕事。
染液の調子を見ながら、染色は1日置きだったり毎日だったり。
その間に染める布の準備をしながら、更にその間に手ぬぐい作りに精を出していたわけです。
そして、お気楽に「作ろう~~!!」と始めた手ぬぐい作りは、またしてもたくさんの人を巻き込んで、ジタバタすることになったのでありました。

皆さんは手ぬぐいが出来る行程をご存知ですか?
デザインをして、紙に型を彫って、注染という染色法で染める・・・これだけ聞くとシンプルで簡単そうに聞こえますでしょう。
いやいや・・・。
初めての手ぬぐい作りは、私達にはとても難しいものでございました。
下絵を作りながら、紗張りをしながら、色見本を作りながら、ずーっと私の頭の中には「判らない・・・、判らない・・・、判らない・・・。」という言葉が渦巻いておりました。
何がそんなに?と思われることと思います。
下絵を描くことや、デザインをすることではありません。
もちろん、手ぬぐいを作る行程が理解出来ないわけでもありません。
実は、その私の感じた「判らなさ」をどうやってお伝えしたら良いのかがこれまた解らず、しばし悩んでおりました。苦笑

少し伝わりにくいかもしれませんが、それはバトンを預けるタイミング、あるいは自分の仕事を終わらせる加減の様なことなのです。
この下絵、どういう精度で出来ていれば、型を彫る人に伝わるのだろう?
この紗張り、どの程度まで余分な漆が残っていると、糊置きに影響するのだろう?
この色見本、職人さんには私と同じように見えるのだろうか?
そうなんです、自分の仕事を途中から人に託さねばならない。
これは、中々に勇気の必要なことです。次の人の仕事においても、自分の意図が叶うように今の仕事を終えなければならない。この加減が判らない。
もちろん、慣れのようなことはあるとは思いますが、むしろ、信頼のようなことがなければ先に進めない仕事のような気がしたのです。
考えてみれば、私とうにさは、イラストの仕事をする際にそういう作業をしているのですが、これはやはりお互への信頼感の上に成立しているようなところがあって、逆に数字とか文字では一様に示せる種類のことではありません。
なんでしょうね、ツーと言えばカーという呼吸みたいなもんでしょうかね。
まぁ、私達の場合は、これが出来るからこそコンビを組んでいるのですが、私と型彫り師さんはコンビじゃないし、私と染屋さんもコンビではないのに、それをやらなければならない。
ねぇ、難しいでしょう。
それで、今回の手ぬぐい作りを通して、あらためて思ったのです。
職人さんの仕事って、非常に読解力のようなものを必要とする仕事なのだなぁと。
送られて来た下絵の、一本の線の真ん中に刃を落とすのか?内側に落とすか?外側に落とすのか?ほんのちょっとの違いで、簡単に絵の印象は変わってしまいます。
手ぬぐいに使われる紫が、赤味を帯びているのか青味を帯びているのか?深いのか?浅いのか?どれも全く異なる色です。
初めての人とこれらの意志の疎通を滞りなく図るにはなんとしよう??
ありがたいことに、私達には協力な助っ人が二人ありました。
一人は、言わずと知れた染色作家の小倉充子さん。
そしてもう一人は、常日頃から手ぬぐい制作の受注をされているこころやさん。
このふたりに、アドバイスと指導を受けながら、職人さんとの通訳までやって頂いたのでありました。
更に、せっかくの機会でしたから、型彫り師さんの仕事の行程や、注染の染めの行程も特別に写真に記録して頂きましたので、順を追ってご紹介してみたいと思います。
・・・しかし・・・、スタートが遅かったので、日本橋キモノ事件簿の開催までにこの話は終わらないなぁ・・・。汗

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