去年の夏休み3

その昔、 津波に乗って田んぼの畔や畑に蛸や魚などの魚介類が打ち上げられたという民話に基づいて付いた地名だとか・・・。

畔蛸なだけに、海岸沿いにはタコの絵がいっぱい。

色とか足の数とか・・・、結構自由です。笑

9月とはいえ、せっかくの海、お宿に荷物を置いてイソイソと海辺をお散歩。

ふたりで裸足になって水に浸かり、砂を足で掘り返して蟹を追い掛け回したり(私が・・・)しておりましたところ、何だか水に浸けた足がチクチクして参りました。

んん?何かいる???
コレはいかんと、慌てて水から出たところ、足に何か小さな生き物が数匹喰いついているではないですか。
自分の足に噛み付いている小さな生き物の形状を確かめようと私が頭を近づけるより早く、うにさの手が横から伸びて、握り締めたタオルで私の足をはたきます。
「あ・・・まだ写真撮ってないのにぃ・・・。」

謎の生物の姿はなくなり、喰い付いていた箇所から滲む血。
元々虫負けしやすい性質の私、相手が何かが解らぬ状態で、コレは困った。
つづく・・・。

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去年の夏休み2
内宮さんの方には、何度も行ったことがあるのですが、外宮さんには小学生の頃に父母と訪ねたきり一度も足を運んだことがございませんでしたので、私の希望で立ち寄って頂きました。

神馬さんに挨拶したりしながら、トコトコと御正殿の方に近づいて行きますと、参拝所から少し離れた場所に、小さな人だかりが。
・・・なんだろう??
1m四方くらいの場所に注連縄が張られており、地面には重なった石。

説明書きの立て札などもないのですが、フラフラと人が吸い寄せられては、地面の石を睨み、続いて注連縄の内にある石に手をかざし、首を傾げて去って行かれます。
近くに寄ると、やはりなんとなく手をかざしてみたくなる・・・。笑
「これ、何ですか?」近くにいらした人に訊ねてみたものの、
「いや~・・・??」とのご返事。
解らないとなると、益々知りたくなる・・・。
本殿に参拝したところで、偶然歩いていらした神職の方を捉まえてお訊ねしてみました。

「いや、特に・・・。単なる印なんですケドね・・・。」とのこと。
鎮地際や後鎮祭などのお祓いが行われる『三ツ石』と呼ばれる『川原祓所』だそうですが(昔は川が本当にあったそうですが、今は埋まって3つの池になっているそうです。)、殊更に何かのご利益があるとかではないのだとか。
神職さんも、ちょっと困り顔。
帰宅後、ネットで調べたところ、巷ではパワースポットということになっているようでした。
しかし・・・恐らく、参拝者の多くはそういう情報も知らずに、石に注連縄でなんとなく手をかざし、続く人もなんとなくやっている・・・感じではないかと。
大きな期待も約束も無い、当てずっぽうな感じが、中々宜しい。笑

暑い日でしたので、風宮さんまで参拝して外宮さんは退散。

お土産には、外宮参道にある老舗の刃物屋さん『菊一文字』さんに寄って、印刀と丸刀を購入。

印刀の方は紐を巻いてかろうじて使えるようにしましたが、両方ともちゃんとした柄をつけてあげなくてはいけませんね。

ちこさんが購入された栗の皮むきハサミは、中々の便利グッズでありましたよ♪

使い込まれた砥石と桶には、老舗の風格。


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去年の夏休み1
私達も現在計画を練りに練っている最中ですが、どうにかこうにかブログの内容が季節に追いついて来ましたので、少しばかり去年の夏に道草をしたいと思います。笑
昨年の9月のこと、私達の遅い遅い夏休み。
こころやさんの催事の打ち合わせで臼井織布さんへ伺った後のことですが、少しばかり足を延ばして三重県内で遊んで参りました。
お昼前に津を出て、腹ごしらえのために向ったのは三重県の焼肉店『一升びん』の宮町店。


ともこさん(うにさのお母様)とちこさん(うにさの叔母さま)もご一緒の夏休み。

本気喰いの焼肉でありました。

ジュ~ッ。

確か・・・、以前にこのメンツで伊賀牛の焼肉も食したような・・・。笑
三重県に何店舗ものお店を展開する『一升びん』さんの中でも、宮町店さんはちょっと変わった造り。
私達が頂いたのは一般席でありましたが、そのお隣には、な、なんと回る焼肉が!!驚
こんなの見たことない!!とばかりに、お願いして撮影させて頂きました。

写真で見ると、MY網の前のショウケースにお肉が並んでいるように見えますが、なんと冷蔵庫の中のレーンでお肉が流れているのです。

手前にあるボタンを押すと、ケースが開いてお肉を取り出せる仕組み。

冷蔵庫の中ですが、お皿の下には保冷剤も入っているようですよ。笑

流石、肉処!!面白いお店がありますなぁ・・・。

あまり聞いたことのない様な部位のお肉も沢山流れていて、興味津々。
なんでも1頭から取れる量の少ない部位は、地元でほとんど消費されてしまうのだとか・・・。
ここのところ、牛肉は食中毒や放射能問題で立て続けに苦難を強いられておりますが、安全で美味しいものが食べたいのは、牛肉に限らぬお話。
がんばれ日本の台所!!

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ある日のある日
お仕事の依頼があり、神保町へ。
一旦はキモノで出掛けるつもりで準備をしたものの、初めての会社訪問にキモノで脅しをかけるのも如何なものかと、思い直して洋服に。
外でお会いするミーティングであれば、迷いはしなかったのですが、様子が解らない時は、やはり洋服の方が気持ちに負担がありません。苦笑
新しい楽しいお仕事の依頼に、勢いテンションの上がる私達。
ミーティングの後、やはりここは神保町らしいことをしようと、さぼうる2でナポリタンを食すことに。

夕方の少し小腹の空く時間、視界に入る人はうにさを含めて全てナポリタンと格闘中。笑

2人揃ってナポリタンでは流石に芸がないかと、私はバジル。(別に捻くれてるわけではありません。笑)

さぼうるのナポリタンは王道の味。
ナポリタンが食べたい時のナポリタン♪
でも、私の中で一番のナポリタンは、今は無き日比谷の三信ビルにあった『ニューワールドサービス』のナポリタン。
ソフトクリームやハンバーガーを日本で始めて出したお店として有名であったけれど、ブランデーの香るコクのあるナポリタンも、他では味わえない一品でありました。
閉店から5年以上が経つ今も、『ニューワールドサービス』の再開を夢見る私であります。
お土産にも神保町らしいものをということで、『柏水堂』のプードル。

さあ、次はどこを流そうか?と、柏水堂から出たところで、重たい梅雨空に雷鳴。

しばらくは神保町に出ることが増えることを見込んで、欲張らずに退散退散。
さて、次回はどこに行こう♪

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夏のある日
この日は少し先の駅まで所要を足しに。
殊更にキモノを着る理由もなけれど、思いの他忙しい夏のキモノのスケジュールを考えると、少しでも着ておきたい気持ちになって袖を通すことに。
だって、2ヶ月余りの間に、浴衣と夏キモノの二本立てですから、着残しが出るのは目に見えているでしょう。

まあ、キモノ孝行の1つであります。苦笑

この日のおキモノは、先に暮らし家さんで頂いた、縦絽の沢瀉(おもだか)。

帯は仕立て直した鷺の帯。
こちらの帯、洗張り済みの古い帯地を古着屋さんで求めたものですが、お太鼓と前帯であった箇所に結構なシミがありました。
うまく行くかしら??と思いつつ和裁師の野田さんにご相談したところ、幸い、古い柄付けのため手先の方にはシミの無いタレ側と同様の柄と界切線が入っており、布を逆さに使って名古屋に仕立てて頂くことが出来ました。
引き抜き帯ですが、長さに余裕があるため、タレ先をもう一度捻って結んでも、余裕があります♪

前帯にもシミのない鷺。
想像以上の再生に、野田さんにまたしても感謝!!

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いつかの夏
4月にお邪魔した、古裂の蒐集家さんのお宅に再び詣でておりました。

この日は、少し早目の夏キモノ。

白地の絽に大きな絞りのおキモノでありました。

帯は、昨年暮らし家さんで頂いた、百合の刺繍帯。

布に艶を出すための技法のお話から、七夕の五色の短冊のお話まで、先生の気の向くままに流れ流れ、ゆったりとした時間を過して参りました。
お話の途中で、ふと私の着ているキモノに目を止めて。
「昔は、夏に電車に乗ると眩しいようでありましたよ・・・。」と一言。

一瞬、蝉の鳴き声とともに、白いキモノで溢れた電車が目の前に現れ、幻の電車に乗る私。

お年を召した方の言葉の中には、不思議な力があるのです。

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2011年6月お稽古

今年に入ってから、何だかんだで月にたった2回のお稽古にすらきちんと出席出来ないでいる私。
お休みする度に、少しばかり凹むのですが、長く続けるにはこれも修行の内と、自分に言い聞かせるのでありました。
6月も前半のお稽古のみ。

お茶室には賀茂川籠にアマチャ。

続く雨のため、大叔母からもらったサマーウールのおキモノにカタツムリの帯。

裄直しをしたので、腕がニョキニョキ出なくなりました♪

半衿には紫陽花のハギレ。

この日は、久しぶりにお稽古の帰りにタリエちゃんを捕まえて写真をパチリ。

暈しの入った紫色の紬の単衣に、茅に蛍が飛びかう帯。

帯〆や

半衿も紫でまとめた同系色コーデ。

タリエちゃんには、紫がとてもよく似合います。
そして、こちらのおキモノは、なんとタリエちゃんのお手製。

微笑み度数は、もちろんいつも以上でありましたよ♪
次は何を縫うのかな??
ところで・・・、『自分で縫ったキモノ』という表現に、何故かすっきりしないものを感じる私。
自分でキモノを着るのは『自装』、ご飯を作るのは『自炊』、戒めるのは『自戒』。
でも、『自縫』はおかしい・・・。
「このおキモノはタリエちゃんが自分で縫ったものです。」と言わず、「このおキモノはタリエちゃんの○○です。」と言いたい。
○○に丁度良い表現が見つからず、しばし悩む。
何か良い言い回しを思いつかれましたなら、是非、お教え下さいまし。笑

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雪花絞の帯1

更にもう1本。

緑の半幅が私のもの、紺の名古屋は友人朋さんのもの♪♪
もしもの色移りを防ぐために、裏地には暈し染めの同系色の布を使って仕立てて下さっています。

いえね、雪花絞、とってもかわいいのですが、大人気ですので浴衣では少々着辛いなぁ・・・と思っていたのです。
でも、帯なら欲しいワ

さて、この雪花絞の帯。
当然ですが浴衣の反物から仕立ててあります。
・・・ということは、布は帯を1本作る以上あるわけです。
布を大切にされるこころやさんのこと、一反から取れるだけの数の帯を制作されました。
店頭に並べたところ、ポンポンとお嫁に行ってしまい、残りは少ないようですが、ネットショップの方にも出そうかしら??・・・と現在お悩み中。
思った以上に評判が良いそうで、追加で雪花絞の別の柄も2反、帯の仕立てに出されているそうですよ。
帯なら是非とも欲しい!!とご希望の方は、こころやさんにお問合せ下さいまし♪
一反丸ごと購入されて、帯をリクエストの上に、残り布は別途ご自身でお細工を楽しまれるお客様もいらっしゃるそうです。

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2011年今年の初浴衣
今年最初の浴衣の着用となりました。

お気に入りの関美穂子さんの浴衣に、

桃葉さんデザインの伊勢木綿を半幅に仕立てたものを合わせてみました。

帯留には陶器の帆船。

木綿は絹ものより艶がありませんので、どうしても色が沈み気味になりますが、小物に彩度のあるものを使って、爽やかさをアップ。

この日は、大阪からこころやさんが東京に遊びにいらしていて、夕飯をご一緒に♪
頻繁にメールやお電話で連絡は取っていたものの、お会いするのは昨年の9月にお店を訪ねて以来のこと、積もる話に時間はあっという間に過ぎてしまいました。(また来て下さいね~~~!!)
実のところ、寂しい心持ちで過しておりましたので、楽しい来客は、とてもありがたくありました。

明日は、こころやさんが大阪から提げて来て下さった素敵なものをご紹介したいと思います。

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2011年5月母と娘の京都旅行11
母やすこから湯葉料理のリクエストがありましたので、専門店へ。
京都旅行中、和食続きになるであろうことを考えて、あえて和食でない湯葉料理のお店を探して訪ねたのですが、蓋を開けてみると、湯葉部分はあまり和食の域を出ないお料理でしたので、今回はあえてお店の名前は上げないでお写真のみ。
全体的には美味しく頂いたのですよ、しかし、フレンチではなかったかと・・・。苦笑
こういうのは難しいですねぇ、人気のあるお店のようでしたし、単に私と母が期待したものとの落差かなぁ・・・と思います。

ゆばのすり流しスープに

前菜の盛り合せ

あたたかいくみあげ湯葉に

向附

湯葉のグラタンに

メインはラム肉ローズマリー風味 バルサミコソースがけ

揚げ出しに

サラダに


湯葉ごはんorあんかけ湯葉ごはん。


色々出して頂いたのですけどねぇ・・・湯葉って、そんなにアレンジし難いのかしら??
和風の出汁やお醤油でしか食べられない程クセのあるものでもない気がするのになぁ・・・自分でも、少し湯葉について検証したいと思います。
最後に、今回の京都旅行でのお土産のご紹介。
錦市場の珍味のお店『喜久屋』さんで購入した魚素麺と焼麩で作られた花手鞠。

本来は、お吸い物の実にするものですが、かわいいので、冷やし中華の飾りに使ったりして楽しんでおります。

『京丹波』さんで見つけたのは黒豆のブランデー甘納豆。

これは、アイスクリームにも合います♪
そして、ついに手に入れました!!

亀屋清永さんの『清浄歓喜団』!!(minoriさん、読んで下さっているかしら??)
奈良時代、遣唐使により伝えられた唐菓子の姿を現在に伝える清浄歓喜団。(詳しくは亀屋清永のHPをご覧下さい。)

キテレツなこの形。
カリカリの皮。
説明ナシには、どこから手を付けたら良いのかもわからない程です。笑

しおりに寄りますと、底の部分を押し上げるようにして割って食べるとのこと。(写真の下の部分)
口に入れると、フワ~っと広がるお香の香り。
揚げ菓子なのに、餡に入ったお香で、後味爽やか。
カリカリとした皮は中華の揚げ菓子『麻花兒 マーホアル』を彷彿とさせます。
ああ・・・、なんだかお寺に行った気分になるねぇ。
甘すぎず、美味しいお菓子でしたよ♪
ちなみに、ちょっと可笑しなもの好きの母やすこは、一目見て、お友達へのお土産は清浄歓喜団と決めたようでありました。(親子ですから・・・。苦笑)
minoriさん!あらためて、ご紹介ありがとうございました。
もちろん、気に入りましたとも!!

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2011年5月母と娘の京都旅行10
この日は最初に母方の祖父母のお骨が分骨してある西本願寺さんの大谷本廟にお参りを済ませ、母やすこも京都で果たさねばならぬお勤めを終えて一安心。

そろそろ、父ひろしの夕飯の心配もせねばなりませぬ故、あまり遅い時間まで引っぱる訳にも参りません。
錦市場に寄って、ちょこりちょこりとお土産を求め、もう1つくらいお寺に行こうとタクシーに乗りました。
実は、時間が許すのであれば比叡山まで足を延ばしたいと言っていたやすこさん。
流石に、今回の日程でそれは難しく、せめて比叡山を借景に取り入れたお寺にでも連れて行こうと考えていたのです。
ところが、外は凄い雨。
タクシーの運転手さんに話を向けたところ、この雨では叡山を借景に入れて見るのは難しいであろうとのお話。
さればと、目指していたお寺の近辺で他に良さそうなお寺の案内を請い、連れて行って頂いたのが実相院さん。

やはり地元の人に相談してみるものだと、喜んで建物の中に入ったとたん、しまった・・・このお寺は、あえて予定から外したお寺であったと、今更ながらに気づく私。

いえいえ、いいお寺なんですよ。

お庭だって綺麗でしょう。
なのですが、このお寺、モリアオガエルが生息していることで有名なお寺なのです。
私、何を隠そう、大のカエル嫌いでして・・・。
お庭を見て、木の枝にモリアオガエルのあの泡泡の卵がくっついているのを目にした時には、気が遠くなりそうになりましたよ。涙
そこから先は、もう目の焦点をぼんやりとしか合わさないようにしながら、庭を遠巻きに眺める私。

ところが、親子ではあっても好き嫌いは異なるもので、母やすこは、私と違って好きなんですよね・・・カエルが。
好んで、枝に登ったモリアオガエルに近づきたがるばかりか、満面の笑顔で「写真撮ってあげようか~♪」と・・・。

お母さん、勘弁して下さい。
私のカメラの中に、そんな画像は入れられません。
あぁ・・・、ゆっくり好きなだけ見ていいから、お願いだから私に様子は話さないで頂戴。
うんうん、鳴いてるねぇ・・・。汗

正直、私が泣きそうでした。

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2011年5月母と娘の京都旅行9
5時半、一斉に館内放送が流れ、5時45分には朝の勤行のために宿泊客はロービーに集合致します。
案内のお坊様に導かれて、速やかに智積院の金堂へ。
中央には黒い袈裟姿の修行僧。
壁づたいには黄色い袈裟を纏った正式な僧侶の方々。
女性の方も何人かいらっしゃいます。
大勢の修行僧さん達の御回向の念仏は高らかで、まるで唄い上げるかのよう。
更に、銅鑼のような『鐃(ニョウ)』やら、小さなシンバルみたいな『?(ハチ)』やら、シャンシャンと音の鳴る錫杖やら、鳴物がいっぱいで、私、段々と気持ちよくなって参りました。
うむ、一種のトランスか・・・??
そして、手の動きやお辞儀の仕方など、ちょっとした体の動きには独特の所作とリズムがあり、え??今のは何??と目が離せない。
お、面白い・・・。笑
勤行が終わると急ぎ金堂を出て、明王殿へと場所を移し護摩焚きが始ります。
その際の袈裟を翻しながら走る僧侶の方々の身のこなしは、今でも瞼にしっかりと焼きついている程であります。
高く上がる護摩焚きの火に、建物が燃えやしないかとハラハラしながらも護摩焚きも無事終了。
お寺には慣れてるワ♪と言っていた母やすこでさえ、「宗派が違うと全く違うものだねぇ・・・。」と興味津々の朝のお勤め。
私としては、てっきりお掃除などのお仕事もあると思っていたもので、こんな興味深いものを拝見させて頂くだけで終わって、なんとなく申し訳ないような気分。苦笑
勤行終了後は、引き続いてお坊様の案内で、小堀遠州作の『利休好み』の名勝庭園を眺めながら、お茶とお菓子を頂きます。

こちらは写真もOK♪

置物かと見まごう程に良い位置に、青鷺が・・・。笑

朝のお庭は清々しい。

更に、厳重に管理された長谷川等伯の国宝の障壁画を拝見致します。
解説されるお坊様が中々にサービス上手で、長谷川等伯の子『久蔵』の手による『桜図』を拝見する際には、一時電気を消して暗がりで浮かび上がる桜も拝見させて頂きました。
講堂に平成20年に奉納された日本画家田渕俊夫氏の襖絵も、かなりの力作でありましたよ。

朝食はごくシンプルですが、湯豆腐付きでお腹一杯。

智積院会館の宿泊、なんだかんだで盛りだくさんで、宿泊前には苦言を呈していた母やすこからも、◎を貰いました。笑
宿坊ですが、早朝観光を1つ増やす気分でお泊りになってみてはいかがでしょうか。

手拭いのお土産つきです♪


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2011年5月母と娘の京都旅行8

2日目は、初日の柊屋別館さんとは趣をガラリと変えて、真言宗智山派総本山智積院の宿坊、智積院会館。

めったとない母との京都旅行、行程は全て任されておりましたので、娘としては色々盛り込みたいと思いましてね。笑
旅行前、電話で「2日目は宿坊だよ。朝のお勤めにも参加するんだよ~♪」と声を弾ませる私に反して、母やすこから返って来た言葉は「宗派が違う・・・。」「眠れなさそう・・・。」「寝間着がいるの?」等の苦言。
アレレ・・・、お母様、そう言わず!!
何事も経験です。たまには、宗派違いもいいではないですか。
それに、宿坊とはいえ今時の宿坊のこと、相部屋ではありませんし、浴衣やタオルや歯ブラシもご用意下さいます。
お風呂やお手洗いや洗面台はお部屋の外ですが、鍵の掛かるお部屋で、クーラーだって付いてます。
電話でこそ、気乗りのしない風情であった母ですが、予想以上に広い畳のお部屋と中居さんナシの気楽さとが、お茶会の緊張感をほぐすにはとても良かった模様。(よかった・・・。笑)

夕食は、京懐石と精進料理をお願い出来るのですが、せっかくなのでここは精進料理を頂きました。(素泊まりも可。)

鰻の蒲焼風の擬似料理なども♪

普段、お肉も魚もモリモリ食べる私ですが、たまにはこういうお料理も楽しいですね。

京都に行って宿泊先で食事をしたことはほとんどないのですが、母を連れての今回の旅行では2泊とも食事付きのお宿にして、正解だった気がします。
お蔭様で、夜がゆったりと過ぎて行きました。

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2011年5月母と娘の京都旅行7
残念ながら、お写真はありませんが、正直なところ、何が何だか解らないくらい贅沢な時間でありましたよ。
対面所である国宝の『鴻の間』でお膳を頂き、聚楽第の一部であったと言われる国宝『飛雲閣』の中でお濃茶を頂き、更にこれまた国宝の『白書院』の中でお薄を頂くという贅沢さ。
生憎の雨でしたが、雨の中で水に浮かぶ飛雲閣は風情がいや増して、まるで異界の入口に建っているようでありました。
移動の合間には、虎渓の庭を拝見したり、2つある能舞台を眺めたり。
私、本当にここに居ていいの??と目をパチクリさせながらのお茶会でしたが、面白いなぁと思ったのは、1つ1つのものに目が吸い寄せられるようになることがほとんどなかったこと。
大きなお部屋の中で、視界の中央から外れているにも係わらず、ある1点に視線を取られるようなことが私は間々あるのですが、それがこのお茶会では殆どありませんでした。
多分、入れ物(建物)とそこに在る物との調和が絶妙なのでしょうね。
バランスが取れているからこそ、極端に何かに気を取られなかったのではないかと・・・。
お茶を始めて3年半、未だ初心者の域にある私。
そこにあるものの価値がほとんど理解出来ていないと言ってもよい状態だと思います。苦笑
そんな状態で、こういう場所でお茶を頂けたのは、とてもすばらしいことのように思いました。
ただただ全身でそこにあるものを浴びる感じが、とても心地よかったです。
ちなみに、母やすこにおいては、正真正銘生まれて始めてのお茶会。
先生やお教室のお友達にサンドイッチにして頂きながら、手取り足取りではありましたが、大きな粗相もなく、とても楽しい時間を過したようです。
母さん!今更だけど、お茶始めてみない??笑

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2011年5月母と娘の京都旅行6
こんな大きなお茶会に、私が一人で(しかも母を連れて)挑めるはずもなく、もちろん先生やお教室のお仲間と待ち合わせ。

早目に到着して、先にお参りを済ませました。

重要文化財の阿弥陀堂。

やすこさんお参り。
大きな渡り廊下を抜けて、

こちらも重要文化財の御影堂。

やすこさん黙々とお参り。
もちろん、私もちゃんと後で手を合わせておりますよ。笑

樹齢約400年の『逆さ銀杏』を眺めたりしながら、お茶会で着崩れる前に、キモノ姿の撮影。
まずは母やすこからご紹介。

嫁入りの時に作ったきり一度も袖を通すことのなかった色無地のおキモノ。
着る直前まで、この年になってピンクは派手かしら??と本人、首を傾げておりましたが、なかなか良く似合っておりました。

実のところ、このお茶会に行くことが決まるまでは、この色無地は袖を通さぬまま私が貰って掛け色をする予定でおりました。(残念ながら、私には顔映りが悪い色でして・・・。)
それで良いと母も言っていたのではありますが、やはり自分の親が作ってくれたもののこと、着ることが出来たのはとても嬉しかったようです。

恐らく、帯も未使用。
母はほとんどキモノを着ないので、もしかすると、雨コートも初使いだったのやもしれませぬ。

ふみえさん(母方の祖母)孝行が出来たね。
しかし、携えて来た草履は、母のものではなく、私が実家に置いていた礼装用の草履でありました。
ふみゑさん(父方の祖母)が私に買ってくれたものですし、それはそれで良かったのではなかろうかと・・・。苦笑
一方の私は、叔母から貰った古代紫の色無地。

5月も末のこと、茹るように暑いのでは?との恐怖から、帯は単衣のものにに致しました。
七宝に花菱。

長襦袢は、一足早く絽。笑
思った程には暑くはならなかったのですが、潔く単衣のおキモノの方も多く、お茶を続けるには単衣の色無地も1つ必要であるなぁ・・・と思った次第。

それにしても、母と一緒に京都をキモノで歩くようなことがあるなんて・・・、良い思い出となりましたワ。

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2011年5月母と娘の京都旅行5
旅行の楽しみの1つにお風呂がありますね。
柊屋さんの別館には家族風呂が4つあります。
あらかじめ入りたい時間を伝えておくと、準備が出来た段階でお部屋に連絡が入ります。(朝風呂の希望も可。)
私達が案内されたのは檜(多分?)のお風呂。
手入れの行き届いたお風呂は、木製の湯船で良く見られるヌメリや黒ずみもなく、新品のお湯に木の香りが爽やか。
特別大きなお風呂ではないけれど、気持ちのいいお風呂だねぇ~っと、置いてあった木の桶に手を伸ばしましたとたん・・・何コレ??
母やすこと顔を見合わせ「軽い!!」。
通常の木製の桶とさして変わらない大きさの桶なのですが、厚みがはるかに薄いのです。
たっぷりとお湯を入れて持ち上げると、更に不思議。
お湯の重さを感じさせません。
どう考えても、桶自体の重さの問題だけではなく、薄く削られた木が手に与える印象が、重さを感じる感覚器に影響しているとしか思えないのです。
いいね~、この桶♪
凄かったね~、あの桶・・・、と母と娘は繰り返し桶を絶賛しながら、柊屋さん別館での夜を過し、翌朝には再び美味しい朝食。

汲み上げ湯葉や、

ご飯の友がいっぱい♪

出立前に、布巾と

あぶらとり紙をお土産に購入しながら、

そうだそうだと、お宿の方にお風呂の桶がとても素晴らしかったとお話したところ。
「薄い桶の方でしょうか??」とのお言葉。
はいはい、そうです、その薄い桶!!
さらりと一言「あれは、人間国宝さんの作られた桶なんですよ♪」
ええっ??思いもよらぬお答えに、驚く母と娘。
まるで、黄門さまに印籠を突きつけられた様な心持ちでありましたよ。笑
更に訊けば、本館の方では販売もなさっているとのこと。
いやぁ、黙ってお風呂で出されているだけの別館さんのさりげなさに、脱帽です。
正直、今回の京都旅行で、この桶を連れて帰らなかったことが、私の一番の心残りとなりました。
京都を離れるギリギリまで母やすこには勧めたのですけれどねぇ。
「勿体無くて、うちのお風呂じゃ使えない・・・」と申しまして。苦笑
今時分、あの桶にお素麺を入れて食べたなら、さぞ気持ちの良いことと思います。(桶ではなくて、盥の使い方ですが・・・。)
東京に戻ってから調べたところによると、桶の人間国宝さんのお名前は中川清司(なかがわきよつぐ)さん。
材質は檜より更に水に強い高野槇だそうです。
ネットでインタビュー記事も拝見出来ますよ。

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2011年5月母と娘の京都旅行4
初日に泊まったのは、柊屋さんの別館。

たまの親子旅行ですから、1泊は京都らしいところにと思いましてね。

本当は本館の方を狙っていたのですが、旅行の日程が中々決められずにボヤボヤしておりましたら出遅れてしまいまして。苦笑
今回私たちが利用したのはJTBのお部屋にお手洗いの付いた2食付の宿泊プラン。
旅行会社の宿泊プランを使うような旅行をしたことがなかったので、実のところ少し不安に感じておりました。
老舗の旅館とはいえ、こういうプランを利用するとお料理が残念な感じなんじゃないかしら?お部屋が約束と違ってたりしないだろうか??と。
しかし、そんな心配は見事に覆され、とても満足の行く宿泊となりました。
小さなお部屋でしたがそれは折込ずみのこと、親子ふたりで過すには十分な広さです。
古い日本の木造家屋が大事に手を入れて使われている感じが何ともいとおしい。
そして、いたるところに柊が!

湯のみにも

お茶のセットに掛けてある布巾にも

爪楊枝入れにも

もちろんタオルにも。

お部屋出しのお料理は、一時にワラワラと運ばれて来るのではなく、

一皿一皿が頃合を見計らって運ばれて来ます。

あぁ、美味しい上に器が素敵だねぇ・・・。

舌鼓を打ちながら、次は何が出るのだろうと献立表を覗いてみますと『お凌ぎ』に『新茶蕎麦』の文字を発見。

あら、これはいけない・・・、そうです、私蕎麦アレルギーなのです。

器を提げに来られた中居さんに「申し訳ありませんが、蕎麦アレルギーがあるので、お蕎麦は母の分だけ運んで下さい。」とお願いしましたところ、なんと、すぐさま私の分だけお饂飩に替えて母のお蕎麦と一緒に運んで下さいました。

ありがたや♪

八寸もきれいでしょう。

量も多すぎず少なすぎず、最後の水物まで残さず頂いて、丁度きれいにお腹が満たされる感じでありましたよ♪

冷たい無花果の水菓子、美味しかったなぁ・・・。

お料理だけでもかなり満足した母娘でしたが、この後、更なる老舗旅館の実力を知るのでありました。
続きはまた明日。

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2011年5月母と娘の京都旅行3
一旦、宿にチェックインをした後、母の希望で西本願寺さんの門前町界隈をお散歩することに。

しかし、台風2号の接近により、甚だお天気悪し。

傘を差しながら、普段覗くことのない仏具屋さんをキョロキョロしているうちに、以前に、地方のお寺の方から聞いたお話を思い出しました。
この界隈はお寺さんにとっての原宿みたいなもの、憧れの袈裟や念珠や仏具の数々に心が躍るとのお話。
さもありなん。笑
確かに、私が見ても、これは美しいなぁ(何に使うかは解らないケド・・・)、と思うようなものが沢山溢れておりました。
数珠屋さんを流したり、亀屋陸奥さんで銘菓『松風』を頂いたり。

戦国の時代に兵糧の代わりになったという松風。

見かけからてっきり麩煎餅のようなもかと思っておりましたが、ムッチリとして膨らみの浅いパンの様な食感。
なるほど、これなら確かに兵糧になるかも・・・。

写真は本願寺伝道院の建物。

ん?羽根のある象??もしや!!
帰宅後調べたところ、設計は築地本願寺と同じ伊東忠太さんでありました。
本願寺門前町の珍妙なマスコット『おりんちゃん』がどこからか突然現れはしないかとドキドキしておりましたが、会えず。(いや、会いたかったわけではないんですが・・・、いやいや、やすこは少し会いたそうでした。苦笑)
少し離れた京都のディープな(?)お茶道具店『勝見光山茶道具店』さんまで足を延ばし、お得なお買物もさせて頂きました。

丸美屋さん!!優良な情報をありがとうございました。確かに、『勝見光山茶道具店』さん、目的がはっきりしている方には、穴場のお店だと思います。
煤竹の茶杓の竹材も手に入れましたが、これまで見たどのお店よりもお手頃な価格で手に入れることが出来ましたよ♪

これを読んで『勝見光山茶道具店』さんに行かれる方へ!
ピカピカの茶道具屋さんではありませんが、不思議な感じで希望のものがスルスル出てくるお店です。笑

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2011年5月母と娘の京都旅行2
母やすことの待ち合わせは京都駅のホームです。
母が広島から京都駅に到着する10分前に到着する東京からの新幹線に乗ってほっと一息。
仕事気分から一気に旅行気分に切り替えるには、ちょっと豪華な駅弁が有効です。笑
『分とく山』さんの『津軽景色』。

・青森県産米まっしぐらを使った、鮭ハラス・三つ葉・醤油漬けイクラ・とろとろ半熟玉子の四色丼
・ウニとカニが入った出し巻き玉子
・昆布のやわらか煮込み
・春菊と人参の白和え
・青森県産長芋の梅酢漬け
・青森県産ごぼうの醤油漬け
・青森県産ほっき貝の酢の物
・いわしの蒲焼き山椒がけ
・青森県産蒸した若鶏のつみれ柚子風味

麻布の分とく山さんがどうして津軽景色なのか?とは思いましたが、中々に楽しいお弁当でありました。
一口づつのお料理の1つ1つに、丁寧さが見える点は高評価。

しかし、ご飯とおかずのバランスはもう一つでしたね。
おかずの数を減らしてでも、味のついてないご飯がもう少し多い方が口が休まると思いました。
このお弁当一つに、白飯を一膳追加して、2人で食べるくらいで丁度良いというのが私の感想。
凝った楽しいお弁当なだけに、満点を出せないのが惜しい感じです。
京都駅のホームに着くと、母が到着する予定のホームには修学旅行生が一杯。
あれれ、やすこさん、人込みで焦りはしないかしら??
心配顔の私の前に、ケロリとした表情で母やすこ登場。
「新幹線の中から、居るのが見えたから、もう大丈夫って思ったよ♪」
はぁ、そりゃよござんした。

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