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キモノは別腹

コンビのイラストレーター『スタジオクゥ』の イラスト付きキモノよもやまと無駄話                                        

伊勢木綿と松阪木綿

本日は、ちょいと長いです。
お茶のご用意はよいですか?
覚悟の程よろしくお願いいたします。(笑)

かつては『神戸(かんべ)木綿』『市木木綿』『伊賀木綿』など、三重県内には、その他にも数多くの木綿が存在したそうですが、現存するのは『伊勢木綿』と『松阪木綿』の2つだけ。

いずれも、三重県指定の伝統工芸品に選ばれていますが、工場もそれぞれ一箇所づつを残すのみとなっています。

うちのブログでもお馴染みの『伊勢木綿』は『臼井織布』さん。
『松阪木綿』は『御絲(みいと)織物』さん。

御絲織物さんのHPは見つけることが出来ませんでしたが、松阪にある『松阪もめん手織りセンター』のHPにご紹介があります。

少し時代を遡ってみましょう。

江戸時代、伊勢商人によって江戸に運ばれた木綿の多くは、その質の高さから人気を博します。
伊勢・紀州・伊賀にとどまらず、尾張など近辺地域から集められた大量の木綿は、白子湊からまとめて出荷され、産地にかかわらず、おしなべて『伊勢木綿』『松阪木綿』として販売されました。

殊に、伊勢商人の中でも松阪商人である『三井八郎兵高利』が江戸に出店した呉服屋『越後屋』(現在の三越の前身)は飛ぶ鳥を落とす勢いであり『松阪木綿』の名称は江戸中に響き渡りました。

(注:江戸時代、松阪は紀州藩のであったため、周辺地域とは異なる繁栄の仕方をしており、狭義では伊勢の国には入らないこともあります。江戸時代の三重県は藤堂藩・桑名藩・紀州藩・鳥羽藩・亀山藩・菰野藩・忍藩とたくさんの藩に別れており、更に天領や神領もあっため、大変に入り組んでいたのです。)

本来、産地だけではなく、品質にも違いがあった木綿が同じ名称で呼ばれることは、生産者にとっては不本意なことでありました。
それぞれの地域に合わせ、はっきりと個別に呼ばれるようになったのは、明治18年(1886)専売特許条例が定められた後、日本に商標登録の制度が整えられるようになってからの事のようです。

参考HP
三重県立図書館地域資料コーナー
三重の木綿 「伊勢木綿」と「松阪木綿」の伝統
http://www.milai.pref.mie.jp/mie-lib/data/mini/049/index.html

お話を現代へ
伊勢木綿と松阪木綿。
このふたつの木綿、触って頂くとよく解るのですが、同じ三重県産の木綿とはいえ、全く異なる木綿です。(実は、8月の末に『松阪もめん手織りセンター』にも行って来ました。笑)

松阪木綿2

伊勢木綿が弱捻糸の経糸から来る『ふんわり』とした独特の柔らかさを持っているのに対し、松阪木綿は『ピッチリ』しっかりとした目の積まった木綿という印象。

恐らく、好みは分かれるところでしょうが、並べて選べるお店がないのは、少し残念な点ですね。(全国の木綿勢揃いのお店とかあったら楽しいのに・・・笑)

また、『現在の伊勢木綿』が、伊勢木綿=臼井織布さんなのに対して、松阪木綿は正確に言うと松阪木綿=御絲織物さんではないところが面白い。

では、『現在の松阪木綿』とは?

『御絲織物』さんと『あいの会松阪』『ゆうづる会』『松阪木綿振興会』とが手に手を取って復興されたのが『現在の松阪木綿』です。

現在の松阪木綿には、御絲織物さんによる機械織りのものと、『ゆうづる会』の手による手織りのものが存在します。

こちらの写真が機械織り。

松阪木綿機械織

こちらが手織り。

松阪木綿機手織

先にも述べました通り、江戸時代、紀州藩であった松阪は税制面での優遇措置がありました。(徳川御三家ですから。)
ところが、明治政府となりその特権が無くなってしまったことにより、豪商が資本を引き上げるなどの、憂目に合います。
更に近代化による機械化、化学繊維の台頭などにより、現在失われてしまった多くの木綿と同じく、松阪木綿も衰退の道を辿ります。

近年になり、それにストップを掛けたのが「郷土文化遺産の掘り起こし」と活用をテーマに発足した『あいの会松阪』なのだそうです。
1981年から始まった、手織り松阪木綿の復興活動が、現在の松阪木綿へと繋がります。

話しは逸れますが、私の田舎はかつて野蚕と鋳物産業で栄えた町でした。
廃れてしまった野蚕を復興させるために、近年復興活動が盛んに行われています。
携わる方達の努力と根気には、本当に頭が下がります。

このお話はまた改めてしたいと思いますが、一度途絶えてしまったものを取り戻すのは容易なことではありません。
時には、たくさんの人の手と時間を掛けても、2度と同じものを作ることは出来ないかもしれません。
失われるということは、そういうことなのだと思います。
繋ぐことの大切さと難しさを考えさせられますね。

伊勢木綿松阪木綿、昨今では同じ『伊勢の国の木綿』と誤って認識されている方もおられるそうですが、2つは全く異なる木綿です。

生産者の方達は、それぞれにプライドと愛情を持って『松阪木綿』『伊勢木綿』名前を掲げておられます。
作り手の思いを損なうことのないように、また、たくさんの失われてしまった他の木綿達のためにも、それぞれの木綿がそれぞれの名前と特質を持って生き残って行けることを願う私です。

頑張れ松阪木綿!
頑張れ伊勢木綿!

松阪もめん手織りセンター』では、ビジターとしてもレギュラーとしても手織りの体験をすることが出来ます。

松阪木綿4></a><br /><a href=松阪木綿3

オリジナルの反物作りに挑戦してみるのも楽しいかもしれませんね。

今回は松阪木綿のお話が多くなりましたが、伊勢木綿については臼井織布さんのHPと『伊勢木綿-臼井織布の巻』『伊勢木綿-臼井織布再訪』をご覧頂けると幸いです。笑


越後屋の商法は画期的

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コンビのイラストレーター『スタジオクゥ』のひよさです。
近頃は更新が滞り気味ですが、お気楽キモノのブログとしてスタートしたこのブログも、開設から12年目へと突入しました。相変わらず、相棒うにさと、女ふたりの同居生活をしながら、コミックエッセイを描いたりしています。ブログでは私ひよさが文章担当。イラストをうにさが担当。時々アップされる『うにさの別パラサイト』もお楽しみに♪

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HIYOSA與UNISA是插畫家搭檔。 HIYOSA是個和服狂熱者,正實踐著「和服生活」,將和服融入日常。 UNISA雖然無法憑一己之力穿和服,但她繼承了許多家人的和服,是一個對和服頗有好感的和服新手。 HIYOSA與UNISA從2007年開始經營和服部落格「買和服是另一個錢包」,大受歡迎,因此融合漫畫與散文,創作了《和服女孩 日本微旅行》。 兩人不只是工作夥伴,在生活中,也是日本少見的合租室友。 她倆從2013年的冬天開始,在網路藝文誌MATOGROSSO連載的漫畫「一人的兩人生活」,將於2014年冬天由日本出版社EAST PRESS出版成書。

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