謎の裂織-その3
鞄の数が飽和状態になって来た頃に、叔母からのアドバイスがあって、帯を織ることに辿り着きました。
こちらの帯が、帯1号。


2号目がこちら。


これはブログでは初めてお見せする帯ですね。
叔母の古いキモノを解いたものから織ってあります。
寒い頃に撮った写真なので、うにさのお婆様みささんの梅の羽織など着てこんな感じ。

3号目がコレ。


今回久留米絣と合わせた帯です。実は、帯とお揃いの鞄も2種類あります。謎の裂織-その2の鞄の写真で言うと、右側・下から3つ目の鞄です。
2号目を締めているのを見たロミちゃんから、是非にとお願いがあったので、母とふたりで、父を宥めすかして4号目となるロミちゃんの帯も織らせてしまったというわけです。


人様に差し上げるとなると、緊張するらしく(うにさは既に人様からは外れています。ほぼ娘。)、父が中々「うん」と言わないので、そこは母やすこの腕の見せ処!
なんと言っても連れ添って数十年ですから、父の操縦は母のお得意とするところです。
うま~く話を持って行って、共の鞄まで作らせました。(すごいぞやすこ!)
作ったのは父ひろしですが、母やすこの操縦術の賜物とも言えましょう。(ははは~お父さん!思い知ったか!笑)
しかし、我父ながら、なかなかよい趣味だと思います。
そろそろ5号目の帯が見たいものですなぁ。
ねぇ、お父さま。

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謎の裂織-その2

粗方毛糸が片付くと、いらない布を裂き始めました。裂織の登場です。
随分と、いろいろなものが私のところに送られて来ましたが、徐々に改良され上達もしているので、後に出来たものを貰うのがよろしい。(笑)
おかげで我家には、謎の織物がたくさんあります。

ちなみに、このピンクの足拭きマットは、母のネルの腰巻と私がこどもの頃の浴衣から出来ています。

最初は、敷物や壁掛けでしたが、徐々に発展して、織ったものから鞄を作るようになりました。
うちに送られて来たものだけでもいくつあるでしょう・・・?(お父さん、私の腕は2本、うにさの腕も2本なんですけど・・・苦笑)
娘は我侭ですから、せっかく送ってもらっても「ありがとう」の一言では終わりません。
必ず何かしらの言葉が後について来ます。
「A4サイズが入いるといいな~」
「持ち手が太いと持ち易いな~」
「大根やペットボトルも入るサイズだと便利だな~」
「肩に掛けられる形もいいよね~」
・・・とリクエストだか何だか解らないことを言います。
更に、娘と一緒になってうにさも言うのですから、その度に改良作が作られて、鞄の数は増えて行きました。


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謎の裂織-その1

さてさて、このキモノに合わせている帯、そうです、新たな謎の裂織の帯です。
以前に登場した2本の裂織の帯のことを覚えていらっしゃるでしょうか?
1本は私、もう1本はロミちゃんが締めていました。ロミちゃんは共の裂織のバッグも提げていましたね。(詳しくは『鼻緒のオーダーメイド3』と『鼻緒のオーダーメイド4』でご覧下さい。)
3本目が出てきたところで、そろそろ正体を明かしましょう。
実は、このれらの謎の裂織の帯、最近このブログにちょくちょくコメントを上げている父ひろしの手によるものです。苦笑


ロミちゃんのは、古いウールのキモノ2枚を使って、長めの半幅帯1本と、おそろいの鞄をひとつ。

前回私が締めていたこちらの帯は、元が何だったかは解りませんが(苦笑)、縦糸に毛糸が使ってあります。おかげで冬はとても暖か。(夏には絶対に締められませんけど・・・。)
老人の暇つぶしにしては、中々のものでしょう(笑)
プロではないので、その辺り、差し引きして見てやって下さいませ。
実は、本人、織物に関心があるわけではないのです。
彼の関心があるのは、むしろ機の方。
そもそもは、今年数えで100歳を迎える祖母が毛糸を編めなくなって、たくさんの毛糸が余っていたことがスタートでした。
編めなくなったものが山積みになっているのは、忍びなく、棄てるわけにもいかないので、父ひろしは指編みを始めました。それにはそうそうに厭きてしまったようですが、どうせなら、ザクザク糸を消費出来る方がいいとでも思ったのでしょうか?父の関心は機へと移行します。
ネットで、機の構造を調べ、1台目に着手!
しかし、材料をわざわざ買うのは嫌なので、全て何かの端材から作り上げました。(クリーニング店で貰う針金ハンガー等も使われていたような・・・。)
早速それを使って、織ったものは、幅20cm×長さ30cmくらいのもの。
嬉しそうに私に送ってくれたのですが、娘は口さがないものです。
「この大きさじゃぁ、何にも使えない・・・。」
即、1台目の機は取り壊され、2台目に着手。

この写真の機は、いったい何号機なのやら・・・?(確か去年の春の時点で、6台目が出来てました。)
ここ3年くらいは、この趣味が続いています。
離れて暮らしておりますので、詳しくは解らないのですが、北欧風とか何とか、いろいろ機の構造を調べては作り、織って、壊す・・・を繰り返しているようです。(ひろしは中々のチャレンジャーです。)


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和裁師さんの力
また改めて・・・と放置してあるお話のどれから手をつけたものか・・・?
迷ったので、ここはまずキモノを着ることにいたしましょう。
とはいえ、普段着のお家キモノです。

見るからに普段着らしい普段着でしょう。
茶摘でもしそうな感じ??(笑)

この久留米絣の木綿のキモノ、証紙(言うほど立派なものではないですが・・・)も、ちゃんと付いた状態の反物を骨董屋さんで購入したのですが、仕立てに出してみたら、残念ながら長さが少し足りませんでした。
古い反物で尺が短かったのか?もしくは短かったからこそ安かったのか・・・苦笑

いずれにしても、そのままではキモノに出来ないところでしたが、和裁師さんのお知恵で、見えない箇所に別の布をはいで頂いて、無事キモノの形となりました。
ココ、ココ、下前の衿のところです。

掛衿の方には本来の布が使ってあるので、着ると解らないようになっています。
こちらは、私が頼りにしている和裁師さんのおひとり、青森の『着物仕立て野田』さんに仕立てて頂きました。
実は野田さんは、ロミちゃんから紹介してもらった和裁師さんです。
(ロミちゃんについては、友人ロミちゃんについて1・2・3をご覧下さい。)
私が頼りにしているもうひとりの和裁師misakoさんが、痒いところに手が届くような若々しいアイディアにあふれた和裁師さんとするならば、野田さんは熟練の技で和裁の王道を突き進まれているような方で、困った時に泣きながら戸を叩きたいような和裁師さんです。
どちらも甲乙付け難い!
初めて野田さんと電話でお話した時の、面白いエピソードがあります。
青森と東京ですから、もちろんお会いしたことはありません。
お話ししているうちに野田さんが
「ひよささんはこういう体型なんじゃない?」
と聞かれたのですが、これが面白い程にぴったり当たっている!!
野田さん曰く「長年やっているとね。声の質でだいたいの体型が解るんですよ。」
さすが経験を積まれた方は違うなぁ・・・と驚ろかされました。
更に、私が渡した喪服寸法から、浴衣や木綿の普段着の時は少しサイズを変えた方が着やすいと、新たな寸法を出して下さったのですが、これが本当に着やすい!
ご自身もキモノを着られる方ですから、日常着としてのキモノのあり方にも、きちんとした基準をお持ちなのだと感心させられました。

ただ今、そんな野田さんの更なる凄腕を、ロミちゃんにも協力してもらって紹介しようと画策中です。
乞うご期待!!

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京都旅行2008-食道楽の巻・その3


わ~楽しい。
生湯葉とウニ、ホタルイカの酢味噌和え、近江の赤こんにゃく、鯛の押し寿司の木の芽添え等々・・・。


こちらのおもちや箱はその時々で内容が変わるのだそうです。
おいしい前菜がちょっとずつ入っていて、目にも楽しい。(食べたらもっと楽しい・・・)
おや?お餅の姿が見られませんね?お餅づくしというわけではないようです。
正直ホッとしました。
私は小学生の時、朝ご飯にお餅を12個食べた記憶(記録)がありますが、それを上まわるようなことになるのではないかと内心おびえていたのです。
後で頂いたカードには
「もちづくしの献立は腹モチが良すぎて致しておりませんが、いろいろなお料理に2~3品を組み入れて、もちつもたれつのお献立になります。」とのこと。
楽しみながらお餅を頂ける構成になっているようです。
次は先代の女将さんの頃からあるこちらの名物料理『たらこもち』。

トロットロのお餅にたらこがからんで美味し~い!
ほんのちょっとの卵黄でたらこがのばしてあるのがポイントなのだそうです。

次のお皿は『牛肉のお刺身』。

『焼き餅入りの鯛の温麵』。

出汁が効いてて美味い!
『鰈と春野菜のクリーム煮』の中には黒餅が入っています。

ご飯物を前にして、せっかくだから、もう1品くらいお餅料理を食べたいとお願いしたのがこちらの『じゃこ餅』。

カリッカリのおじゃことモッチモッチのお餅の触感が絶妙です。
最後に『凌ぎめし』(写真を撮りそこねてしまいました。)と『お豆腐のムース』

あ~、10年間憧れ続けた甲斐があった!

しかし、こちらの『きた村』さん、お料理に勝るとも劣らずに堪能させて頂いたのはお話です。
女将さんやお給仕をして下さるお姉さんが気さくで本当にお話がお上手。
一番遅い時間で予約をお願いした上にカウンターだったので、随分遊んで頂きました。
このお話が聞けないのはもったいない!
絶対的にカウンターがお勧めのお店です。
こちらのお店のお餅の由来を伺ったところ、先代の女将さん(現在の大将のお母様)が、お餅でもちょっと焼いて出すようなお店でも・・・と始められたのだそうですが、ちょっと焼いて出せるようなそのお餅とは、旦那さま(先代の女将さんの)大好物だったのだそうです。なんだかちょっと微笑ましいですね。
最後にはちょっとしたお店の宝物も拝見させて頂いて、大大大満足な私達でした。
たかだか3泊4日の話に長々とお付き合い頂き、ありがとうございました。
今回の京都旅行のお話はこれでオシマイ。(ほっと胸を撫で下ろされている方もいらっしゃるでしょう。私は撫で下ろしております。)
お腹も満腹、別腹も満腹で、本当に楽しい旅行でした。
ありがとう京都!また会う日まで!!
最後は『きた村』さんで頂いた『凌ぎめし』の器の底の写真で京都にお別れいたしましょう。

お後がよろしいようで・・・。

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京都旅行2008-食道楽の巻・その2
『きた村』さんは、四条と五条の間、鴨川と高瀬川の間の木屋町通りに在ります。
私達が『きた村』さんの存在を知ったのは、およそ10年前。
小さな看板灯籠に、これまた小さく『きた村』の店名。
その店名の肩に更に小さく『もち料理』。
「もち?モチ?餅?」
メニューも出ていなければ、中を覗くことも出来ません。
手がかりは、ただその看板ばかりなり。
見れば見るほど『もち料理』という文字が怪しげに光っているような気がして来ます。

以来、お店の前を通る度に
「もちー!モチー!餅?」
「怪しいよね・・・」
「気になるよね」
「お餅だよね?」
「餅だらけなのかな?」

その頃は、年に1or2回は京都に行く機会があったのです。
いろんな妄想を膨らませながら4年くらいが過ぎた頃だったでしょうか、雑誌で『もち料理きた村』が紹介されているのを目にしたのです。
本当にお餅なんだ・・・すごい・・・なになに?『おもちや箱』?
お餅だけじゃないよ・・・おいしそ~!
ところがその頃から、京都に行く機会がグンと減ってしまい、次回こそはと言いながら、出会いから10年近くが過ぎてしまいました。
久しぶりにお店の前に立ってみると、看板が変わっていました。
後で伺ったところによると、古い看板は台風の度に危険にさらされていたので、思い切って新しくされたのだそうです。確かに木屋町通りは川に挟まれており、風がよく吹き抜けそうな気がします。


ありました、暖簾に『もち料理』の文字。
どきどきしながら暖簾をくぐります。
初めてのことですし、今回は¥5000のコースを予約して伺いました。

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京都旅行2008-食道楽の巻・その1
その食い意地は私の父(最近このブログに乗り込んで来た父ひろしです・・・)に
「おまえらは、食べること以外に考えることはないのか・・・」と言わせしめた程です。
そんなふたりが京都入りするのですから、ただでは済みません。
しかも数年ぶりの京都です。
この数年のうちに「今度行ったら・・・」とじみじみ貯め込んで来た野望は膨大です。
私達が京都旅行の日程を考える上で、一等最初にしたことは、何を隠そう、ご飯を何回食べられるかを数えることでした。
1日3食なんて誰が決めたのでしょう。せめて京都でだけは1日6食とかになりませんかねぇ?
ただ、欲望が貯まる速度に、貯蓄の方が追いつかないのも事実、ここは狙いを定めて掛からねばなりませぬ。

検証考察の末、出した答えは、10年来憧れ続けた『もち料理きた村』。
うむ、久々の京都旅行にふさわしい選択!
でも、『きた村』さんの話をする前に、私達が今回の京都で胃袋に掻き込んだ品々を簡単にご紹介。(お土産も含む)


『スマート珈琲』の『ホットケーキ』と『フレンチトースト』





『イノダコーヒ』の『クラブハウスサンド』


『フランソワ』の『ブランデーケーキ』




『築地』の『ウインナー珈琲』





ゲットしたマッチコレクションは今回は3つ。



『志る幸』さんの『利休辨當(べんとう)』と『おとしいもの味噌汁』と『たけのこの味噌汁』
京都の甘い白味噌のお味噌汁と、おとしいもの相性は抜群!





八百屋『池政』さんの3月の定食。
京野菜『かね松』さんの『やお屋の二かい』に行くつもりが、2時間待ちだったので、急遽予定を変更して入ったお店でしたが、これは二重丸!今回の旅行で一番美味しかったと言っても過言ではありません。
季節の野菜の天ぷらがメインで、ほぼ筍尽くしの定食でした。見かけより7割増しに美味しい!!今まで食べた筍で一番おいしかったかも。やっぱり季節のものには勝てません。





『ふじ井』の『おまかせ定食・鯖塩』
カウンターだけの小さいおばん菜屋さんですが、京都に行くと必ずここでランチを頂きます。





『月餅屋直正』の『わらび餅』と『月餅』と『やき栗』
中に餡子が入ったわらび餅を食べるのは初めて。




『かざりや』の『あぶり餅』
ケイちゃんと行く予定にしていましたが、タイムオーバーで行くことができず、悔しくてうにさと行ってきました。『水琴窟』があるとの情報だったのですが、水が止めてあったのか?音を聴けなかったのがちょっと残念。


『二條若狭屋』の『不老泉・抹茶』
なにより箱がかわいい。お湯を入れると、うさぎが浮いてきます。

『まんざら』の『うし寿司』
中に沢庵が入っていて、意外な美味しさ。
『六盛』のお弁当(写真ナシ)
すごく美味しかったのに、写真を撮り損ねて後悔・・・。手おけ弁当で有名なお店ですが、私達が食べたのは、鯛の昆布〆が入ったお弁当。


『おかちん』の『福だるま』


『蓬莱堂』の『蓬莱茶(元祖玄米茶)』


『原了郭』の『黒七味』『志そ香せん』『青紫蘇香煎』『御香煎』

『千波』の『山椒の実の白醤油煮』




『大國屋』の『ぶぶうなぎ』

『魚重』の『赤こんにゃく』

『仙太郎』の『米からカステラ』

『林万昌堂』の『純天津甘栗』
こうやって並べて見ると意外と少ない・・・もっと食べられたはずなのに・・・。

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京都旅行2008-番外編

ここまで、ケイちゃんとの1日や、キモノ屋さんのお話を書いて来ましたが、本日は番外編の雑記です。
たまには、うにさの別腹も覗いてみましょう。
『アスタルテ書房』さんで購入した谷崎潤一郎の初版復刻本のセット。

『春琴抄』の表紙は朱漆仕上げ。くれぐれもポテトッチップスなどを摘みながら読むことなかれ。
明治44年刊行の『刺青』の復刻本と一緒に、谷崎愛用のペーパーナイフを文鎮として復刻したものが入ったセットです。


こちらの『アスタルテ書房』さん、有名な本屋さんですが、これまでに何度も行こうとトライしたのですが、地図を見ても全くお店を見つけられずにいました。
今回念願叶ってお店を発見することが出来ました。
地図通りの場所に確かにありましたが、全く看板が出ていません。路面店ではないので、建物の外から見ても絶対に解りません。
建物の入り口を入ったところにある、ポストに名前があるのが唯一の手がかりです。
みなさん、頑張って探して下さい。
オーナーさんの趣味がはっきり出ているお店で、マニア垂涎のお宝がたくさんある、とても興味深いお店でした。

アスタルテ書房
京都市中京区三条御幸町通上ル東側 ジュエリーハイツ202
電話番号:075-221-3330
営業時間:12:00AM~7:00PM
定休日: 木休
七福神ならぬ、15福神?


うにさは、ここ数年、こういう小さくてかわいい民芸品が好きで好きでたまりません。


昨年奈良に行った時に買った七福神に引き続き、今度は15体も小さな土人形が入っていました。
しかし・・・何か解らないものも含まれています。(笑)

『正尚堂』さんで購入した銀の指輪。
私の影に隠れて、うにさもちゃっかり欲しいものはゲットしています。
残念ながら、ただ今我家で雲隠れ中。涙
部屋の掃除をするのがよいでしょう・・・。
ふたりで共使いするものもコチョコチョ仕入れて来ました。


『京都便利堂』さんでは、きれいなカードや一筆箋など。



『嵩山堂はし本』さんでは、かわいいポチ袋。



『おはりばこ』さんでは、かわいい瓢箪の根付け。
瓢箪モチーフは大好きです。袋物の相談にも載って下さり、ありがとうございました。



『古美術尾杉』さんでは、江戸期の塗りの器。


一見入りにくそうおなお店ですが、お手頃なものも多く、お店の方のお話もお上手で面白いお店でした。購入した器は、高台部分に若干の傷みがあったので、かなりお手頃なお値段でした。
手が出なかったあの昔の花街で使われていたという七福神の杯は、本当に素敵だったなぁ・・・。



『鳩居堂』『石黒香舗』『豊田愛山堂』さんでは、防虫香をゲット。

これは匂い比べをするために少しづつ。
現在、私が愛用しているのは『豊田愛山堂』さんのものですが、他に気に入ったものがないかどうか、検証中。

前述の通り図書館などでも借りてきて、気持ち悪くなるほどガイドブックを見ましたが。
特に参考にしたモノをご紹介しておきます。
『らくたび文庫No.026 京の銭湯 本日あります』

ご存知ケイちゃんと発見した京都の銭湯本!テーマごとに京都を紹介している文庫本シリーズなので、集めてみるのも楽しいかも。
『ツレのための 京都ごはん案内ガイドブック』

食いしん坊の私達には、見るだけでも楽しいガイドブックです。こちらもシリーズで出ています。発刊が少し前なので、情報の確認は必要かもしれません。
『京都地元案内帖2008』

『正尚堂』さん情報はここから。
『春京都’08 「本物」の京都をじっくり楽しむ季刊誌vol.9』

商店街めぐりが好きな私達には、中綴じのマップは役立ちました。自分が行きたいお店も書き込んで持ち歩くのがGood。春の特別公開のガイドも付いています。
ブログには上げていませんが、高台寺の夜間拝観などにも行って来ました。


上の『京都地元案内帖2008』と同様に、発刊が最近のものなので、情報が新しい点でも◎です。
写真もきれい。

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京都旅行2008-キモノ屋行脚の巻・その9

真剣に相談されているスウェーデン人のご夫婦の横で、日本語で作戦を練る三人。
値段交渉が開始されます。
最後の最後になって、掛軸の軸先が象牙であることをお話すると、お値段にも納得されたご様子。
しまった、もっと先に言えばよかったか・・・。駆け引きとは、難しいものです。
しかし・・・売れました~~!!
スウェーデン人のご夫婦を佐野さんと一緒に手を振って送り出し、擬似店員終了。
役に立ったとは思えませんが(臭いニシンの話などして・・・)、久々に脳が活性化したというか、なんというか・・・とてもよき体験をさせて頂きました。
しかし、面白かった!お客さまが帰えられた後も、私達ふたりは興奮さめやらず、なんだか「もっと売りたい!!」気分です。笑
スウェーデン人のお客さま、ごめんなさい!私達もただの客です。
古物の鑑定など出来ぬ、ただのシロウトです。
それでも、きっとよいお土産になったことと思います。
日本の掛軸、大切にして下さいね。
あ~面白かった!正尚堂さん、ありがとうございます。

私達が最初に正尚堂さんに入った時に感じたのと同じように、こちらのお店では、店員さんとお客さまの垣根が非常に低い。店主の佐野さんのお人柄かもしれません。
近くにあったら自宅のように、毎日「ただ今~」と言いながら通ってしまいそうなお店です。
商品も、すぐに手が届くものから、博物館に入れた方がよさそうなものまであり、いろんな人が自分に合うものと出会えそうなお店でした。
見せていただいた江戸時代の能衣装はすごかったなぁ・・・。
しかし・・・あのアザミのキモノと、あの帯とあの帯・・・もう誰かのものになったのかしら・・・。(煩悩断ち切れぬ私です。)

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京都旅行2008-キモノ屋行脚の巻・その8

初対面の方々に貴重なご意見を頂き、ブログのことで赤面しつつ時間が過ぎて、そろそろお客さまも帰宅されます。
ひとり、またひとりと去られる姿をお見送りして、正尚堂さんに残ったのは店主の佐野さんと私達ふたりだけ。
それまであまりにも話に夢中になっていたので、再度お店の中を拝見してから、そろそろ私達も失礼しようかと思っていたところに・・・外国人のお客さまがふたり。
ご夫婦のようです。
しばしお店の中をウロウロされた後に、床の間に掛かっていた掛軸に目を留めて何か話されています。
店主の佐野さんと片言の英語で会話が始まります。
緊張しながら、何故か佐野さんの横に並んで話を聞く私達。
掛軸を捜されているとのこと。
床の間に掛かっていたオシドリの掛軸が気になっているようです。

鳥の絵がお好きとのことで、佐野さんが別の鳥の掛軸を開かれます。
「Oh~!」
こちらの方がよりお好みみたい・・・。
勧めなくては!
「鶯?って英語で何でしたっけ?」「オシドリは?」の私の問いかけに、佐野さんが電子辞書を出して来られます。
うにさも、片言の英語でちょっとでも情報を伝えようと、必死です。
佐野さんが自由に他の掛け軸も開いて下さいと勧められたのですが、外国人のお客さまはなかなかご自身では掛軸を開かれようとはしません。
見ていて、なんだかジリジリしてきます。
「どんどん開きましょう」
佐野さんと一緒になって、掛軸を次々に開いて行きます。
相手が日本語が解らないのをいいことに、「はじめての共同作業です・・・」とか言いながら、二人三脚ならぬ、三人一脚?。な、なんだか楽しいぞ・・・。
私「楽し~~い!」
佐野さん「毎日、こんなことやってるんだよ。いい商売でしょう。」

奥様の方が2本目の鶯の掛軸にご執心の模様。
二人で母国語で相談されています。どこの国の言葉だろう?
伺ったところ、スウェーデンからのお客さま。
スウェーデン・スウェーデン・スウェーデンと言えば・・・・何か思いつくものはなかったっけ?
私「!!あ!臭いニシンの瓶詰め!」(よりにもよってどうしてそんなものしか思い出さない・・・)
おお~でも伝わった!
『あれは臭いから、スウェーデン人もみんな好きじゃないのよ・・・』と鼻をつまんで話される奥様(英語です)
・・・他に何かなかったっけ?
うにさ「ビヨルン・ボルグと・・・アバ!」(私よりはましだけど、古いよ、うにさ。)
旦那さまが「そうそう」と反応!

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京都旅行2008-キモノ屋行脚の巻・その7
1:金物部分は、家具を扱う職人さんに相談をするのがよいのではないか?
2:さげ物などを扱うアンティークショップなどで、意見を聞いてみるのは?
3:修復も、この袋物が作られた行程と同じように、布部分、金物部分は別の職人さんの手で修復を必要とするのでは?
4:せっかくブログをやっているのだから、ブログでも金属を扱える方を捜す呼びかけをしてみては?


いろいろとお知恵を拝借いたしましたので、さてさて、どこから手を付けようか?
経過はおいおいブログで紹介して行きます。
どこかに、この人なら、いや、私はこそはその金具を扱える!という達人がいらっしゃいましたら、是非ご一報下さいませ。よろしくお願いいたします。


しかし、この袋物、名張の『閑日堂』さんから私の元へとやってまいりましたが、人との縁を繋いでくれる袋物なのかもしれません。
このブログ『キモノは別腹』のスタート時にも登場させていますし、しばしこの袋物を提げて、それが繋げてくれる場所を辿ってみるのも面白かもしれませぬ。

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京都旅行2008-キモノ屋行脚の巻・その6

・・・というわけで、
なんとはなしに入った話の輪でしたが、皆さん熱心に聞いて下さいます。
ただモノが手元にないのです。
宿まで取りに戻るわけにもいかず、持って歩けばよかったと後悔していたところで、ココ『キモノは別腹』私達のブログに写真を上げていたことを思い出しました。
「あ・・・ブログに写真を載せてる・・」
「見られるよここで、なんてブログ?」
「・・・別腹」
「?」
「カタカナでキモノ、漢字で別腹です・・」
恥ずかしい~~こんなことなら、もっとかっこいいタイトルにしとけばよかった・・汗

とたん
「見たことあるかも!」の声が二人の方から・・。
「ヒー~ッ!!」
うにさとふたり、もう穴があったら入りたい状態です。
思わず「私達のことは忘れて下さい・・・ゴメンナサイ、ゴメンナサイ・・・」恥ずかしい一心で何故か謝ってしまう私達。

ありがたいやら、こんな二人で申し訳ないやら・・・大動揺。
こんな恥ずかしい思いをしたのは初めてです。
とはいえ、このブログがあったおかげで、袋物の写真をお見せ出来たのも事実。
インターネットって便利で、そして恐ろしい・・・。
よ、よかったよね!うにさ!ひよさ!
写真を見ておおよそのことを理解頂いたところで、さすが古物を扱われるプロです、店主の佐野さん、いろいろなアイディアを出して下さいます。
佐野さんだけではありません。前述のキモノの美人のお客さんの正体は・・・

なんとアンティークモール銀座の中にある『Wing~田中翼のアンティーク着物~』の方で、これまたアンティークの商品を扱われておられるだけのことはあって、たくさんのアドバイスを頂きました。
他のお客さんもただ者ではありませんでした。

大阪から来られていた男性は、古いキモノから、自分が着るためだけにアロハを誂えるという、超贅沢な趣味人!
私の下手な説明ではなかなかご理解頂くのは難しいかもしれませんが、そんじょそこらのありがちな安キモノから作られるのではないのです。溜息もののアンティークのキモノの中から、キモノとしては着られないであろうかわいそうなキモノを念入りに選び出し、こだわりの一品を作られるのです。
しかもものすごく趣味がいい。
実はこの日、出来上がった新作をお持ちになっていたので見せて頂きました!つばめ柄の涼しげなアロハ、素敵でした!!
販売などは決してされない、自分のためだけの贅沢です。趣味の高じた方というのは独自の見識やアイディアをお持ちですから、話も面白い。
店主の佐野さんは、その場で思いつくところにいくつかお電話もして下さいました。
そうこうしているうちに古布のお細工物で有名な『おはりばこ』の店主の北井さんも駆けつけて来て下さり、ブログの写真を見ながら、なんとかならないものかと、みなさんで知恵を絞って下さいました。
こんな怪しいふたりのために、みなさま、本当にありがとうございました。

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京都旅行2008-キモノ屋行脚の巻・その5
(珍品の袋物についての詳細は『三重からの珍品その1・その2・その3』をご覧下さい)

籠部分にも金具にも傷みはありません。
傷みがあるのは上部の布部分だけ。
ところが布を張り替えるにはどうしても金具を外さなければならないのです。


しかし、この金具を留めてある細い釘のようなものは、内側でつぶしてあるので容易に抜くことが出来ないのです。
金具を壊して外したとしても、代わりの金具がありませんし、元よりこの金具にこそ価値があるのですから、壊しては意味がありません。
では傷んでいる布の上から新しい布を張るのはどうか?

これもNoです。本来の布には全く強度がありません。
補強をしたところで、底から布を回してしっかりとくるんで布を留めないのであれば、袋の中に物を入れた時に、ものの重みで布は裂けて籠から下が落ちてしまうでしょう。
表面的な補強だけでは袋物としての機能を再生することが出来ません。
底に布を回すには、どうしても金具を外すことが必要なのです。
金具の代わりはなく、金具の扱いは袋物屋さんの仕事の範疇には入らないので断られるのも無理はありません。
そんなこんなで予定していた袋物の修繕は頓挫し、前日までは持ち歩いていた袋物の現物も『正尚堂』さんをお訪ねした時には、ひとまずは諦めて宿に置いてきていたのです。

うにさが言わんとしたのは、ここ『正尚堂』さんのような古物を扱われるお店であるならば、何かよいお知恵を拝借出来るかもしれない、ということでした。

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京都旅行2008-キモノ屋行脚の巻・その4
実は今回の旅行で、1つ目的があったのです。
みなさん覚えていらっしゃるでしょうか?
昨年の秋の閑日堂さん訪問。その後に送って頂いた珍品の袋物のことを。
(閑日堂さん訪問についての詳細は『三重旅行閑日堂の巻1・2・3』
(珍品の袋物についての詳細は『三重旅行の後遺症』『三重からの珍品その1・その2・その3』をご覧下さい)

この袋物の修繕をお願いしようと、今回の京都に持って来ていたのです。
ところが、この前日、目星をつけていた袋物屋さん『小森袋物店』を訪ねたところ、そこでは修繕をお願いすることは叶いませんでした。

『小森袋物店』は文字通り袋物を扱われているお店です。
オリジナルの袋物はもちろんですが、布や籠を持ち込むと、それを袋物へと加工をして下さいます。
着物全盛の時代には、袋物業というのは大変に栄えたそうですが、今は袋物屋さんの数も少なく、希少なお店です。
お店の方はとても親切で丁寧に見て下さいましたし、そちらで修繕が出来ない理由がもしクリア出来るなら、そこから先のパートは引き受けて下さるとも言って下さいました。
「今はもう、こないなもんは作れませんなぁ。ええもの見せてもろうたわ。」
「大事にしーやー。」
「この金具、駄目にしたら、もったいないよ。」
と言われながら、お店を後にしました。
では、袋物屋さんでは修繕出来ないその理由とは・・・。
この金具。


この袋物の命ともいえるこの金具がはずせない、そして代わりがない。今、こういう仕事が出来る職人さんがいないのだそうです。

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京都旅行2008-キモノ屋行脚の巻・その3
次に目指した先は叡山電鉄の茶山駅そばの『正尚堂』さんというお店です。
お名前を知ったのも今回の旅行計画を始めてからでしたし、全く様子は解らなかったのですが、大好きな本屋の恵文社さんと近かったこともあり、訪ねてみることにしました。キモノも骨董あってお茶も出来き、お店の中にあるものは、何でも買えるというお店だとか?
前述の通り、朝からやる気まんまんで行ったお店で出鼻をくじかれたり、予定外のところで気に入ったものに出会って大喜びしたりしていたので、気分的には、なるようになるさ・・・といったところ。
ところがこの『正尚堂』さんが大アタリだったのです。

普通のお宅のようなお店の戸を開けると、たくさんの履き物。中からは賑やかな声が聞こえます。「こんにちは」と上がらせて頂くと6、7人の人が談笑していらっしゃいます。
一人の女性がすぐに声を掛けて下さって、その人はお店の方だと解ったものの、どこからがお店の方でどこまでがお客さんなのか・・・?
それ程にみなさんリラックスして歓談されていらっしゃる。
ひとりの方はアンティークのキモノをものすごく素敵に着こなされており、一瞬、店員さんかな?とも思いましたが、キモノを羽織って選んでいらっしゃるご様子。羽織られていたキモノがこれまた素敵によく似合っていらっしゃる。あまりに素敵なので思わず「お似合いですよ~。」とひと声掛けて、のそのそと私達もキモノエリアのある奥に入らせて頂きました。

まずはひととおり物色。
すぐ目に止まった1枚のキモノ。
薄い地色の単のキモノの裾には大きなアザミが描かれています。手にとって広げていると、先ほどのキモノ姿の美人さんに
「そのキモノ、飾り紋が素敵なんですよ」
と言われて見てみると、これは素敵だ!一つ紋の入る位置にとんぼが1匹。
「贅沢なキモノですねぇ・・・」
思わずため息が出ます。ちょっと羽織ってみることに。素敵だなぁ。でもちょっと着馴れない色で顔映りに自信がないなぁ・・・でも、ものすごーく素敵。
結局、帰る間際まで悩んで諦めたのですが、今思い出しても、アレが誰かのものになるのは惜しい感じのキモノでした。
キモノも帯も素敵なものがたくさんあります。
散々悩んで選んだのがこちらの帯。(今回の京都旅行はどうも帯に縁があったようです・・・苦笑)

大胆な籠目の上に金糸・銀糸で藤の花。
こちらの帯をしげしげ見ていたところ、男性の方から
「黄色の帯はね、数が少ないんですよ」と声を掛けられ、ようやく店主判明。笑
明るいところで見せて頂くために、店の奥へ行って戻って来ると、うにさが歓談の輪の中に入っているではないですか。
私も腰を下ろして、なんとなく輪の中へ。
・・・と、うにさが突然「ここに持って来たら何とかなったかもよ?」

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幻の野点

次のキモノ屋さんの話に入る前に、ちょっと脱線。
東京に戻ってから、京都旅行で購入した帯、早速締めてみました。
(この帯購入の詳細は、京都旅行2008-キモノ屋行脚の巻・その1とその2をご覧下さい。)


この日は、「散りゆく桜を眺めながら野点でも・・・」というなんとも風雅なお誘いに、はりきってキモノで出かけたのです。
・・・が、私、約束の日を取り違えておりまして・・・あえなく敗頽。
待ち合わせのオペラシティーの53階にある『サバティーニ』で、うにさと二人で間抜けにも予約の前日に着席し、来ぬ人を待ちわびておりました。
お店の方にも申し訳ありませんでした。


予定は仕切り直しとなり、高層ビルからの東京を眺めながら、うにさとふたり、お互いに相手が違うぞ・・・と思いつつのランチデートでした。間抜けです。




ん、でも普段行かないようなところでしたので面白うございましたよ。
高いところから東京の街を見たのは、20年くらい前に、東京タワーに上って以来ではないかしら?
間違いなく、こんな上空にキモノで来たのも初めてだなぁ。
そうだそのうちキモノで飛行機に乗ってみよう。


春の空に新たな野望を見い出した一日でした。


ちょっとお袖の長いキモノですがお許しを・・・。

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京都旅行2008-キモノ屋行脚の巻・その2

2本の帯を悩ましげに睨みつけている私に、
おじさん「なに?旅行?どっから来たん?」
私「東京からです。」
続けて私「いや・・・実はさっきすごく楽しみにしていたお店に行ったら、全然好みのものがなくて・・・」
ついついおじさんに愚痴ってしまいます。(嫌な客です。)
おじさん「○○さん?」
私「そうそう」
おじさん「うちからも時々卸しとるよ」おじさん苦笑いしながら
「仕方がないなー。お土産ないと困るし、勉強したげるわ」
おじさんはおもむろに電卓を取り出して。
「ほんまやったらコレな」
「帯2本とさっきの帯〆と羽織の紐も入れてコレでどや?」
「え?ホンマに?エエの?」つられて私も関西弁。
これは安い!超お買い得!
「買う買う!」
しょぼくれた状態から、一気に有頂天。



見ていたおばあさんにも
「えかったな~」と言われるほどの大喜び。
お店を出る時に伺ったところ、こちらのお店、毎月1回同じ場所『京都市伝統産業振興館-四条京町家』に出店されているのだそうです。(そんな建物だったのね・・・)


今昔きものと古布の会のフリーマッケットの情報は、『四条京町家』のHPでスケジュールを見ることが出来ます。
『四条京町家』
http://www.kyomachiya.org/
さあ、気分も上昇して、次のキモノ屋さんへと駒を進めます。
この時の私達は、次に向かうお店で、およそ5時間にも及ぶ滞在をすることになろうとは、夢にも思っていませんでした。

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京都旅行2008-キモノ屋行脚の巻・その1
この調子では、3泊4日の京都の話なのに2カ月くらい掛かってしまいそうです。
さすがにそれはまずい・・・うかうかしていて次の京都旅行が巡って来たりなんぞしたら(私は嬉しいけれど)、ブログ上ではずーと京都にいる人になってしまう・・・。
そんなわけで、ここからは時間軸を外してお話することにいたしましょう。
東京では、もうすっかり桜も散ってしまいましたが、私達の京都旅行はまだ桜には少し早い、木蓮の頃でした。

残念ながら、夜行列車で京都入りなんぞしたもので、京都の街をキモノで闊歩するわけには参りませんでしたが、せっかくの京都です、キモノ屋さん行かないわけがない。(注・ここで私が言うところのキモノ屋さんとは古着屋さんのことです。)
その日は朝から今回の京都旅行で一番楽しみにしていたキモノ屋さんに行く日でした。
前日に既に1軒キモノ屋さんを覗いていましたが、素敵なものはあっても私の財布とは釣合がとれないお店でしたので、目の保養をしただけの状態です。
当然物欲のボルテージだけは上がっています。かなりの期待を抱いていそいそと2軒目の店へと出かけたのです。
ところが・・・おおいなる期待をして入ったそちらのお店・・・ないのです、私の好みのものが・・・。
もちろんお店が悪いわけではありません。なんと言えばよいのでしょう、そう『客筋が違う』のです。
それでも何枚かは「ん?!」と引っかかるものもあったのですが、今度は値段が折り合わない。仕方がありません、こういうのは出会いですからね。
仕方がないとは解っているものの、店を出てしょぼくれて歩いていたところ、こんな看板が目に入って来ました。

「フリーマーケット 今昔きものと古布の会 どうぞご自由にお入り下さい。」
ちょっと覗いて見るか・・・。
座敷にキモノや帯が並べてあって、お店というよりは文字通りフリーマーケットか市の風情。
おじさんがひとりちょこんと座って店番をしています。
「気になるものがあったら上がって見てってね。」靴を脱いで座敷に上がらせて頂きます。



あ・・・さっきのお店より自分向きかも・・・。
かわいいキモノも何枚かありましたが、残念ながらサイズがかなり小さい。
いつものごとくせめてお土産に羽織の紐でもと物色した後、お値段は上がるけれどもお二階にもあると伺って二階へ。


確かにこちらは振り袖や訪問着などが多く、私が今求めているものとは違うようです。
再び一階へと戻り、入り口付近の帯の山に手を伸ばします。

あ・・・コレ、かわいい・・・かなり好き!

染めに刺繍の入った桜と橘の帯です。
そこへうにさ
「やっぱりそれを手に取ったか♪」
相棒故に、私の好みは熟知しております。先回りして目につくところに出しておいた模様。
「コレもかわいいよ」と更に一本。

確かに、趣は全く違うけれどこちらもかわいい。手裏剣みたいな千鳥柄。
アラどちらも同じお値段でしかもお手ごろ。値段もかわいい。
ビニールの袋に入っていたので「出してもいいですか?」と一声掛けて2本の帯をいじっていたところ
「ええやろ~、その帯~」とおじさん。
「ほんまやったらもっと高うてもええ帯なんやけど、少し汚れがあるからその値段」

確かに、最初に手に取った帯には汚れが見られます。
「そっちは銘仙。キモノからうちで仕立て直したから新品よ」
ふむふむ、確かにシミもシワもなくてぴしっとしています。
これは悩ましい。
「ものとしてはこっちの方がずっとエエもんよ」桜と橘の帯を指しておじさんが言われます。
ものとしてよいシミのある帯か、仕立て直しとはいえ新品の帯か。
好みのとしては桜と橘の帯の方が勝っているのですが、やはり汚れが気になります。あ・・・でもこの汚れ、締めたら見えないところだ・・・。
しつこくなでまわしていたところ、常連さんらしきおばあさんがやって来て
「ええのん見つけたなぁ」
「そうなんですよ。汚れもね、隠れる場所じゃないかと思って・・・」と言うと、おばあさん、帯をパタパタ形にして

「あーこれなら大丈夫だいじょうぶ。」
やはりそうか・・・更に悩みは深まります。
一本一本は決して高くないのですが2本はな・・・実はまだ更にもう1軒行く予定にしているお店がある状態だったので、財布の紐は堅くしておきたいところ。う~む・・・?

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京都旅行2008-ケイちゃんとの巻・その7
それでも私達、もう1軒風呂屋へハシゴです。

ただし、こちらは喫茶店。古いお風呂屋さんを改装して作ったカフェの『さらさ西陣』さん。
船岡温泉からすぐのところにあります。


おお!船岡温泉の中にあったのと同じマジョリカタイルが貼ってあるではないですか。
風呂上りに冷たい『柚子ライムソーダ』を飲んで、のびきっている私の前で、ケイちゃんは電車の時刻表を広げて確認作業に入っています。

ああ~、最初の予定だったら、私も今から東京へ戻るはずだったのに・・・私の京都は明日も明後日も続く・・・幸せ。
呑気な私とは異なり、「大丈夫、大丈夫。」とは言いながらもケイちゃんの顔色は少しづつ真剣味を帯びて来ます。

いよいよタイムリミット。
『さらさ西陣』を後にして、急ぎタクシーに乗るつもりで出た大通り、丁度来た『京都駅行』のバスに咄嗟に乗った私達。
乗って直ぐに「大丈夫かな?タクシーの方が安全だったのでは?渋滞とかしてたら困るよ・・・。」とは言ったのですが・・・このバスがケイちゃんの命取りになるとは。
京都駅にバスが着いた時点で「じゃ!」と飛び出して行ったケイちゃん。
私の方はというと、当初の計画ではケイちゃんと早めの夕飯をとるつもりでいましたが、成り行きまかせの旅行の予定なんて、とうの昔に崩れてしまっています。『船岡温泉』で疲れを癒したとはいえ、夜行の旅での睡眠不足もあり、ひとりでこれからお店に入るのもおっくうです。
私の京都はまだ続くのだし、ここは駅でお弁当でも買って、宿に入ることにしよう。
うにさの到着は22時45分頃、それまでダラダラしていよう。
京都駅でお弁当を物色していると、ケイちゃん発見!
「よ!」手には八橋の袋。お婆ちゃんへのお土産に甘いものを買っていたようです。
「じゃ!」と改札の方へ走るケイちゃん。
さっき別れてから15分は経ってたけど、余裕があったんだ・・・よかったよかった。
私は中々お弁当が決められず、ウロウロウロウロ・・・駅の南の方へも行って戻って・・・。
アレ?またしてもケイちゃん発見!
さっき改札の方へ行かなかったっけ?あれから更に10分は経ってるよ?
「よ!」手にはパン屋の包み。お腹が空いて、パンを買っていたようです。
「じゃ!」とまたしても改札の方へ走るケイちゃん。

ようやく、私もお弁当を買って宿へ。
あー~~、楽しかった~~~!!
うにさに見せるべく本日の戦利品を広げ、お弁当を食べ、寝巻きに着替えて、ウダウダウダウダ・・・。
23時前、携帯が鳴ってうにさ京都到着!
23時過ぎ、宿にうにさ到着。スタジオクゥ京都潜入完了!!喜びに舞い踊るふたり。
一方その頃、ひと足違いで、岐阜駅からのバスに乗り遅れたケイちゃん。
ファミリーレストランにでも身を寄せようとしたが見当たらず、見つけたまんが喫茶は22時で閉店。
路頭に迷い、仕方なく駅前のビジネスホテルに宿泊。
青春18きっぷでお徳な旅行のはずが、思わぬ出費。
私がこの結末を聞いたのは東京に戻って来てからのことでしたが、そのケイちゃんの間抜けっぷりに大笑いさせて頂きました。
私と駅の売店で何度も会ったのは、予定していた電車に乗り遅れてしまったために、時間が出来たのだそうです。それでも帰り着けると思っていたのに・・・。
大笑いする私の横で、ケイちゃん、ひとこと
「次回は1時間早く出る。」
次回もあるんだ・・・苦笑。
みごとなオチもバッチリついて、ケイちゃん!楽しかったね。京都旅行に誘ってくれてありがとう!
スタジオクゥの京都の旅は、これからが本番です。笑

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京都旅行2008-ケイちゃんとの巻・その6
待ちに待った『船岡温泉』!

おお~いい雰囲気ですね~。
入り口を入ると、男性客がたくさんいて何故か一斉に私達を見られたので、入り口を間違えたのかと思っい、思わず飛び出してしまいました。
もう一度外に出て見渡しても、入り口はそこひとつです。
ケイちゃんとふたり少しオドオドしながら、再度挑戦。
よかった・・・間違ってはいない・・・。
入り口は男女兼用でひとつでした。そんなに不審だったでしょうか?
番台ではなく、フロント形式とでもいいましょうか、ゲタ箱に靴を入れたらお金を払って、そこから先にちょっとした待合室のようなものがあり、男女別々になっています。
タオルをレンタルして、小さなボディーソープを買って、いざ脱衣所へ!
おおおお~~すごい!!
写真をお見せ出来ないのが本当に惜しい!ものすごい欄間!!
前述の『らくたび文庫No.026 京の銭湯 本日あります』によりますと、こちら『船岡温泉』は1923年(大正12年)お風呂も楽しめる『料理旅館船岡楼』として創業し、戦後に公衆浴場専業となったのだそうです。建物は国の有形文化財にも登録されています。
すかしの欄間にはいろいろなモチーフで彫刻が施されていますが、中でも上海事変をモチーフにした欄間はすごい。
漆塗りの格天井にある鞍馬天狗と牛若丸も圧巻。
タイルもそんじょそこらのタイルではありません。マジョリカタイルがぎっしり!
コレは来てよかった~!
お湯の種類も多くてびっくりです。まるでスーパー銭湯並み。
檜の露天風呂、薬湯、泡風呂、サウナ、打たせ湯、電気風呂・・・。
電気風呂・・・初めて体験しました。
大きな浴槽が区画分けされていて、たまたま最初に足を入れたのがその場所だったのですが、気づかなくて・・・。なんだか指は引きつって来るし、舌の根が震えます。おかしいなぁ・・・疲れてるのかな?泡風呂も激しくなるとこんな風になるのかなぁ?っとポカンと口をあけて、舌の根が震える感触をいぶかしげな顔で楽しんでいたところ、隣に入って来たお婆さんに「コレ電気風呂!」と教えられて、ああ、なるほど・・・。

夜行列車での睡眠不足も、東寺や鷹ケ峰で歩きたおした脚の疲れも、吹き飛ぶワ~極楽極楽。
お風呂から上がって、脱衣所も出て、受付に戻ってタオルを返したところで、受付のお婆さんとちょっとお話し。受付の上にある欄間ならば、写真を撮らせてあげましょうとのご好意で、写真をパチリ。

ありがとうございます。なんだか、無理にお願いしたみたいで、申し訳なかったです。コチラの欄間は、ここ船岡町あたりのお祭りの様子を彫刻したものだそうです。
貴重なお写真ですので、ちょっとアップに。


ああ・・・本当にすばらしかった!

ところで、脱衣所にいるあたりから、ケイちゃんの様子が慌しくなって来ました。
ちょっとお風呂でゆっくりし過ぎたかも?

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京都旅行2008-ケイちゃんとの巻・その5

ぶらぶら歩いて今宮神社あたりに着いたのが18時頃。
徐々に急ぎ足になって来ました。予定では、既に風呂から上がっているはずの時間です。
簡単にお参りだけして、お土産を買うために「大徳寺納豆一休」さんへ。

「ごめんください」と声をかけると奥からお婆さんが出ていらして、大徳寺納豆についての説明をして下さいました。
納豆とは言っても、あのネバネバの納豆とは全く異なり、むしろ中華料理の調味料『豆鼓(トウチー)』に似た感じのものです。

私は食べたことがあったのですが、ケイちゃんは食べるのは初めて。
発酵食品が大好きなケイちゃん、試食をさせて頂いて、気に入ったらしく、お買い上げ。
アレ?私は買うつもりだったけど、ケイちゃん、お土産は甘いものの方がいいとか言ってなかったっけ?しかも私よりたくさん買ってない?
東京に戻ってからケイちゃん曰く「アレはもっと買っておけばよかった・・・」かなり好みのものだったらしいです。
お店のお婆さんの説明がなかなかよろしかった。
「開けたらね、小さい瓶にでも入れてね。なくなるまで常温でいいから。冷蔵庫の方が後に出来たんだからね。」

宋元の昔、中国から禅僧に依って持ち帰られた六百余年の秘法の食品ということなのですから、確かに、冷蔵庫より大徳寺納豆の方が古い存在ですね。
そのまま食べてもいいし、薬味や調味料にも出来る優れものです。

京都の納豆と言えば・・・、前述のCLOTH WORKSのメンバーの方から伺った京都情報の中に、面白いお話がありました。
紫野の出身の方だったのですが、関西では納豆はあまり食べないと言われていますが、京都でも紫野では納豆をよく食されるのだそうです。
『紫竹納豆』という納豆があって、もっぱらこちらの納豆を召し上がるのだそうですが、その食べ方が面白い。
お醤油にお砂糖を入れて召し上がるのだとか・・・。
砂糖の分量で随分味が異なりそうですよね。
ちょっと不思議。
話を戻しましょう。
そこから、お漬物の『大こう』さんへ。

こちらのお店もCLOTH WORKSのメンバーの方からのご紹介。
うにさへのお土産に『宝漬』『味かぶら』『切赤かぶ』を購入。



『宝漬』は、早速その日の夜に、うにさとふたりで頂きました。
なるほど美味しい!お漬物もお店によっていろいろですが、妙に甘かったり辛かったりしてなかなか気に入ったものには出会えませんが、これはなかなか好みです。
さすが地元の人の情報は手堅いですなぁ。

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京都旅行2008-ケイちゃんとの巻・その4
こちらは大正解!観光客もほとんどいなくて、お寺の方も親切に血天井の話などを聞かせて下さいました。
急ぎ足で近くの常照寺や光悦寺に足を伸ばしてもよかったのですが、人もいないことだし、ここは贅沢に源光庵でゆったりと・・・。

こちらが有名な「悟りの窓」と「迷いの窓」。
今はもう使われていないとのことでしたが、こちらのお魚もユーモラス。


『開版-カイバン』と呼ばれるもので、食事の時間などを叩いて知らせるものだそうです。お魚が口にくわえているのは人の煩悩で、お魚が全て呑み込んでくれるのだそうです。
ああ・・・私の煩悩も飲み込んでもらいたい・・・。

行きのタクシーの運転手さんには「あそこは秋がいい」と言われましたが、いえいえ、春もなかなかよろしゅうございましたよ。
随分前に、秋に訪れたこともありますが、確かに美しくはありましたが、やはり人が多かった・・・苦笑
ケイちゃんも、すっかり源光庵が気に入ったようです。



源光庵を出て、タクシーの運転手さんに教えてもらった醤油屋さんへ。
創業1805年(文化2年)の『松野醤油』さんです。

店の中に入ると、お醤油のいい香り!
薄暗いお店の奥には、日付をふった巨大な醤油の樽がいくつも並んでいます。

お醤油を買うつもりで入ったのですが『今年の柚子で作ったぽんず』の貼り紙に負けて、ポン酢を購入してしまいました。瓶ものは重いので、今日はこれが限界。
あ・・・ケイちゃんも買ってる・・・笑。

実は私とうにさ、旅行に行った先々で、醤油やポン酢を買ってしまいます。
日常的に使うものなので、美味しいものに出会えると喜びもひとしおなのです。
去年の津和野旅行では、道の駅で買ったお醤油の蓋がゆるく、レンタカーの中で大惨事を起こすという事件もありましたが、そんなことではへこたれません。
ああ・・・島根の海士物産と井ゲタ醤油コラボの『飛魚ぽん』は、あご出汁が効いてて本当に美味しかったな~・・・。
脱線、脱線・・・。
もとい、そんな調子ですから、後でうにさに「どうしてお醤油も買わなかったの!」と当然のように責められた私です。

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京都旅行2008-ケイちゃんとの巻・その3

『○天下一』と記された暖簾をくぐって、『西源院』の中へ。
お庭を眺めながらゆったりと名物『七くさ湯豆腐』を頂きます。

こちらお豆腐は目の細かい木綿豆腐。湯豆腐にピーマンが入っている!うむ、意外に合うかも・・・。


湯豆腐だけでも頂けますが、せっかくなので精進料理のセットにしました。
このお料理の中にあった「筍とワケギのぬた」を皮切りに、京都滞在中、私は毎日ぬたを口にすることになります。
京都二食目完食!


石庭に移動して、人の多さにびっくりしてしまいました。
私は龍安寺は都合4回目だったのですが、いつも人がいなくてひっそりしていたので、こんなに大勢の人がいるとは思ってもみなかったのです。(写真手前は実はものすごい人だかり・・・)
確かに観光の名所ですし、人気もあるお寺ですが、これまではどうしてあんなに人が少なかったのだろう?
よくよく考えてみたところ、これまで私が行った季節は、真冬の極寒の時期と、真夏の猛暑の時期ばかりでした。
そうか・・・今は春、観光のシーズンなのです。納得納得。

それにしても、石庭の縁側に人が鈴なりに座っている様子は、あまりにも庭の雰囲気とミスマッチだなぁ・・・苦笑



龍安寺から出る頃、既に時計は4時を指しています。
う~む、かなり時間が押してきた。
拝観時間を考えると、見られるとしてもお寺はあと1つ。
龍安寺からなら金閣寺が近いのは解っていましたが、龍安寺の混み具合から考えると、金閣寺も恐ろしく混んでいそうでしたし、修学旅行ぶりの京都を楽しんでいるケイちゃんに、せっかくなら修学旅行では行かないところを見せたかったこともあって、思い切って鷹ケ峰の源光庵へ向かうことに。
拝観時間が気になり、タクシーの運転手さんを急かしたところ
「お寺もいろいろやけど、あそこなら、拝観時間が過ぎたからって、箒を持って追い立てるようなことはせんやろ」と言われながら一路鷹ケ峯へ。
途中の道で古い醤油屋さんがあり、運転手さんが「私もお客さんから教えてもろたんですけど、ここのお醤油がおいしいんですわ」とお土産情報もゲット!
タクシーが拾えるような場所ではないからと、運転手さんには心配されたものの、50分くらいならブラブラ歩いて下りるから大丈夫とお断りして『源光庵』へと到着しました。

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京都旅行2008-ケイちゃんとの巻・その2
手彫りの匙屋さん『辰義堂』さんでしばし足を止め、赤いハンチングのかわいらしいおじさん(きっと、いや多分、辰義さんなのだと思う・・・)と話し込みます。

こちらのお匙、あんまり上手過ぎない素朴な作りで、とても感じがよろしい。ちょっと『天然生活』風かな?笑

写真奥のしゃもじにも使えそうな盛匙は杏の木。
手前のスープをかき混ぜるのに便利そうな、長~い柄の匙は桜の木。
この桜の木はおじさんの自慢のお品のようでした。切った桜の木を長く放置しておくと、外側が腐って、中の芯だけが残るのだそう。その芯はとても硬く丈夫で、木工をするのには適しているのだとか・・・。
基本的には無着色ですが、色の薄い木は、紅茶で染めているとのお話でした。
値切ってごめんなさい・・・。
そのままで十分使えるとのことでしたが、以前会津の木地屋さんに伺った時に、生木のままで使うよりも、使う前に食用のオリーブオイルかエゴマオイルを塗って乾かす作業を2回くらいした方が木のためによいとのことでしたので、ただいまエゴマオイルを塗って乾燥中です。
キモノ関係のものはなかなかピンと来るものと出会いがなかったのですが、最後の最後で、よい出会いが!それがコレ。

飛び魚の夏帯。
お魚柄も金魚や鮎はよく目にしますが、飛魚とはなかなか珍しい。
写真ではよく見えませんが、波のところどころに銀糸、飛魚の目には金糸が入っています。

前はこんな感じで裏表使えそう。

若干使用感があるので値段も控えめ。
「18きっぷでさっき京都に着いた」とお店の方に話したら「体壊しますよ~」と笑われながら、値引きして頂いて、交渉成立!
やはりこの年で青春18きっぷでの夜行京都入りは、あわれを誘うのだろうか?と思っていたら、最後に「夏にも来てねー」(次回青春18きっぷの発売を指す)のひとこと。苦笑

残念ながらこちらのお店は名前をうかがうのを忘れてしまいましたが、アンティークのキモノには自信をお持ちのようで、なかなか楽しいお店でした。東京や岐阜にいらっしゃるお友達のキモノのお店なども教えて頂きました。ありがとうございます。

さてさて、そろそろケイちゃんとの約束の時間です。
携帯を見ると、着信とメールが・・・。
「携帯の電池が切れる!」とのメール。
公衆電話から、京都駅に戻っているとの知らせ。
あらら・・ケイちゃん、東福寺を出る時に連絡してと言っておいたのに・・・携帯の電池切れちゃったのね・・・涙。

慌てて、弘法市を出ようとしたら、袋小路に入って、出れなくなり、ひとり迷子になりながら、ようやく京都駅へ到着。
う~ん、かなり予定がずれ込んで来ちゃったなぁ・・・まぁ、旅行なんてそんなものかも。
最終目標の『船岡温泉』は北区紫野にあるので、出来るだけにじり寄っておきたいところです。
お腹もすいたので、龍安寺内の『西源院』の湯豆腐を目指してタクシーに。
タクシーの中でケイちゃん「ひよささん、歩けるって言うから、東寺から東福寺まで歩いたら、すごく遠かった・・・。」
う~ん、確かに「その気になったら歩ける」って言ったかもなぁ・・・ははは。でも電車やタクシーも進めたんだけどなぁ・・・苦笑。
「でも、結構・・・じゃなくて、すごくよかった!」それなら、よかったよかった。

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京都旅行2008-ケイちゃんとの巻・その1
逸る心を押さえて、まずは朝食。
駅前の地下街ポルタにある『イノダコーヒー』へ。

普通にトーストくらいにするつもりだったのですが、メニューにこんな記述がありました。
「当店のハムは、ドイツのハム職人『カールプッチングハウス氏』の伝統製法を引き継いだ、茅ヶ崎のハム工房ジローにてイノダ特選ボンレスハムを作り、ご提供しております。」
ここまで書かれると、食べないわけにはいきません。
ハムトーストを注文!

うむ、確かに美味しいハムトーストだ。付け合せのポテトサラダが予想外においしい。
ハム好きのうにさに報告しなくては!

実は、後日うにさにこの話をしたら、どうしても食べたいと言うので、本店の方でクラブハウスサンドも食べることになります。うにさのハム探訪記??
こちらがそのクラブハウスサンド。

さすが老舗、全てのものに名前が入ってます。



京都一食目としては、なかなかよい滑り出しです。
軽くひと休みしてから、いよいよ東寺の弘法市へ。市へ向かう時間としては、いささか出遅れた感はありますが、京都旅行はまだ始まったばかり、焦らず行きましょう。

さて、ここで・・・私の予感的中。
実は、同行のケイちゃん、古物があまり得意ではありません。
誰が使っていたかも解らないものは、得体が知れなくて気味が悪い・・・苦笑。確かにこういう価値観もありますね。私の父などもこちらのタイプです。
そんなケイちゃんですから骨董市はすぐに飽きてしまうだろうと予想していたのです。
片や私はと言いますと、いつまででもネチネチ物色したい方です。こんなこともあろうかと策は練ってありました。
市へ入ってすぐさま、別行動を提案!
ひとまず1時間後に会う約束はしたものの「ケイちゃん、東福寺は行ったことある?」地図を開いて位置を示し「京都五山にも入るきれいなお寺だから行ってみたら?」と提案をして、しばしケイちゃんとはお別れ。大丈夫、ケイちゃんは知らないところをひとり歩きするのなんて、朝飯前の人です。

身軽になった(笑。ゴメンゴメン、ケイちゃん)ところで、戦闘開始(?)です。
ウロウロウロウロ・・・あ゛~何にでも引っかかってしまうわ・・・。


こちらの一人膳は本当にかわいかった・・・。残念ながら、手が出ないお値段。

最初に手に入れたのがこちらのバッグ。

わっ~!すごいヘビヘビしてる・・・ニシキヘビのバッグです。
使用感はほとんどありません。中に小さいお財布も入っていました。
実はワニ皮の草履を持っているので、探していたのはワニ皮の鞄なのですが、出会ってしまったのはのワニではなくてヘビでした。苦笑
お!お値段も手ごろです。更にお安くして頂いて¥3500也。
私の好みというよりも、もしかしたらこういうものは母が好きかも・・・??


帰宅後、中に詰めてあった新聞の日付を見たら昭和44年6月22日のものでした。40年近く前の新聞です。どのタイミングで詰めたものやら・・・?
購入したお店は『古布 風雅舎』さん。ありがとうございました。キモノも素敵だったなぁ・・・。


あっちへフラフラこっちへフラフラ、ちまちました買物をていると、携帯に着信メールが・・・ケイちゃんからです。
東福寺にいるらしい(笑)
待ち合わせ時間を更に1時間遅らせることにして、再始動。

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京都旅行2008-京都への道3

いよいよ東京出発。
『ムーンライトながら』は鉄道オタクらしき人達に取り囲まれて、大撮影会。


私達が乗るのは最後尾の9号車。
オタクの人達に混ざって写真を撮りながら、妙なことに気づいた。
それがコレ。

ん?名古屋?大垣行きでしょ?表示が間違ってる・・・!コレはいけない、車掌さんに教えてあげなくては・・・!!
トコトコと車掌室に向かい「表示が名古屋になってますよ。大丈夫ですか?」
車掌さん「ええ名古屋行きですよ」
私「えぇ?これ、ムーンライトながらですよね?大垣行きじゃないんですか?」
車掌さん「ええ、大垣行きですよ。後ろ3両は豊橋で切り離されて名古屋行きになりますけどね。」
そ、そんなバカな・・・私達の指定席は切り離される。
車掌さん「前の方の指定が空いてなかったんでしょう。」
ケイちゃんとふたりで大動揺。
えー~?そりゃ指定券は東京→豊橋間だけどさ・・・販売する時に一言くらい言ってよ・・・。涙

実はこのムーンライトながらは豊橋以西は指定が解除され、ただの通勤列車へと成り下がるのだ。
そのことは知っていたものの、後ろ3両が名古屋行きになるなんてことは聞いていない。
危ない危ない、とんだ落とし穴に落ちるところだった。行き先表示間違えなどと、人の心配をしている場合ではなかった。


無事乗車はしたものの、思わぬ車両移動があることを知って緊張して寝付けない。

お腹がすいた時のために購入しておいた寿司折を、そうそうにふたりで分け合って食べたりしているうちに、あっという間に静岡だ。

ここで20分の停車。
鉄道オタクの人達は元気だ。車外に降りて、それぞれに記念撮影をしている。
せっかくなので、私達も降りてみる。
というか、離れ離れになると、どちらかが車中に取り残されたり、ホームに置き去りにされたりしそうなので、ついつい一緒に行動してしまうのだ。しかも、荷物と離れるのも不安で、荷物ごと一塊になって動いてしまう。もちろんトイレにも一緒に行く。
真夜中の駅、空気が冷たくて意外と気持ちいい。
座りっぱなしからも解放されて、いい気分転換になった。
そこからケイちゃんは、結構眠れたようだ。こういう時は先に寝たほうが勝ちである。残された私は乗り過ごすことが気がかりで眠るのは困難だ。それでも何とか少し眠って、空は白々と明けて来た。
午前6時過ぎ、後ろ3両の乗客は豊橋到着前から、じわりじわりと前の車両ににじり寄る。
当然私とケイちゃんも移動体勢に。
到着とともに走る、走る、走る・・・。

車両移動完了!
後ろ3両切り離される。
あ~ドキドキした・・・。
6時50分頃大垣着、加古川行きへ乗り換え。
米原で更に乗り換えがあるも、ものすごい勢いに圧倒され、電車を1本見送る。

到着時間は若干遅れるが、おかげで悠々着席して、あとは京都到着を待つばかり。
安心したせいでウツラウツラと船を漕いでいると「京都」のアナウンス。
あわてて電車から飛び降りた。


ここは京都!
わ~い!着いちゃった。

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京都旅行2008-京都への道2

更に数日後・・・
ケイちゃん:「ムーンライトながらの指定席だけ取ってみた!」
なんと手回しのよい・・・。『ムーンライトながら』とは、大垣行きの夜行列車のことである。昔と違い、全席指定になっているため、特に青春18きっぷが使える時期には、このたった¥510の指定券がプレミアチケットになってしまうらしい。みんな考えることは同じだ。苦笑

指定のチケットを手に入れたことで、往路の夜行は決定となった。
正直、この歳になって、青春18きっぷを使った強行軍をすることになるとは思ってもなかったが、決めてしまえば、むしろ楽しみですらある。
国内で夜行列車に乗るのは初めてだ。学生の頃に青森から大阪まで夜行に乗ったことはあるが、あれは寝台車だったし、どんな試練が待ち受けているのか・・・なんだかワクワクする。
結局、うにさは21日の夜にしか京都に着けないことにはなったが、その分3泊出来ることになったので、ふたりで山のようにガイドブックを借りて来て、気持ち悪くなるほど眺めまわした。

一方、ケイちゃんはというと・・・私が泊まりになったことで、京都での滞在時間は更に延びて12時間くらいになった。しかし京都は修学旅行で行っただけなので、どこでもいいという意外な程のあっさりぶり。
ただひとつだけ希望があった。
「風呂屋に行きたい。」というのだ。
理由は簡単「夜行で行くからお風呂に入れない。」な・なるほど・・・。
でも、その日のうちに実家に帰るのだし、1日くらい我慢したら?12時間の滞在時間で京都で風呂屋?
私は泊まりだからいいけどさ・・・。(今や余裕である)
ところが、そんなケイちゃんと一緒に本屋へ京都のリサーチに行ったところ、思いがけない本に出会ってしまったのだ。
その名も『らくたび文庫No.026 京の銭湯 本日あります』

こ、これは神様の思し召し?
ケイちゃん、すぐさま本を購入してご満悦である。

知らなかった・・・京都の銭湯がこんなに魅惑的とは・・・行かなくちゃ!
かくして、ケイちゃんとの京都旅行の第一目的は「船岡温泉」と決まったのである。
ちなみに、一時あやうく銭湯行脚になりそうになったが、ふたりとものぼせやすい質だったので、それは回避した。
やはりケイちゃんとの旅には、どこか危険な香りがする。(1日くらいならそれも面白かったかなぁ・・・)

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