寅年終い
スタジオクゥはこの一週間程でバタバタと予定が変わり、いつも以上に慌ただしい年の暮れを迎えております。
お正月飾り?年賀状??大掃除???どこへ行った????
一応、あと数時間はジタバタするつもりでおりますが、とりあえず元旦は休もうよ……と話しているところ。
大晦日らしいことは何一つ出来ませんので、せめて昨日の寅年終いの着姿を載せておこう……。

ウネウネしたホワイトタイガーみたいなおキモノは、古着……というよりは、材料用に古布店に出ていたものを気にいってしまい、そのまんま着ております。😅

帯は黒地の瓢箪の帯。六瓢(無病)より瓢箪の数が多いですが、無病以上に元気で新年を迎えられることを祈って。

うーむ、足元が写真では随分白飛びしておりますねぇ……スマホもそろそろ買い替え時か・・・・・・??

ん??踵に??

こっちの踵にも??

はい、角大師さまで厄除けでございます。

あらら、キモノを引っ張ったら裾除けが写っちゃった……ま、いいか。
角大師の足袋は、大和屋履物店さんの恒例催事になりつつある手ぬぐい生地で作るきねやさんの足袋受注会で、ふきんから誂えたもの。(正確には、イベント前にサンプルとして制作して頂いたもの。詳しくはコチラ。)
元は、スタジオクゥのふきん、角大師『以心伝心』。
変でしょ……♪気にいってます。💕

鼻緒はヘンテコ鼻緒を作った際の試作品を自分で履いています。
来年は門付きつねのふきんも足袋にしてみようかなぁ……ヘンテコ鼻緒も作るかなぁ……などと、新しい年への野望を膨らませつつ、2022年寅年終い。
皆様、どうか良いお年を~~~~。(やっと言えた!!)

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なんとなくクリスマス
フォルダー名は『バックアップしなくては!』。
大雑把に日付で仕分けはしてあるものの、取材などで撮った以外の写真が、スマホやデジカメからそのまま放り込んであるだけのフォルダーだ。
そのうちブログに上げようかなぁ……いつか整理しなくちゃね……などと思いつつ、じわりじわりと溜まって、今や写真の枚数は眩暈を起こしそうな数になっている。
我がPCのハードディスクの容量を喰っていたのは、お前様であったか……。
「そのうち」や「いつか」は中々やって来ないし、埋蔵写真を少しでも増やさぬように、今日は久しぶりに着姿の写真をアップしてみようと思います。(焼け石に水??)
先週末にうにさと一緒に上野方面をウロウロした際のお着物です。

赤の大島紬に、小さな壺柄の帯。(我家で『切符の帯』と呼ばれている詳細はコチラ。)

アンティークの鈴の帯留は、中にちゃんと小さな玉が入っており、跳ねるとチリチリとした可愛い音が鳴ります。
静かなところには向いていませんが、外歩きが多い日はむしろ気分の上がる帯留です♪
帯揚げと半襟に緑を入れて、

キラキラした菊の羽織を合わせて、なんとなくクリスマスなコーディネイトとなりました。

よく晴れた冬空の下、

上野公園の大きなイチョウの木の根元には、そこだけ黄色い葉っぱの絨毯が現れて、

小さなステージのようでありました。
実は前々日まで、この日は別のキモノを着るつもりでおりましたが、急遽変更。
この赤いキモノは今年の夏にご近所さんから頂いたものでして、袖を通したところを年内にお見せしたかったというワケ。
年の瀬って、概ねそんな感じです。
「背丈が私と同じくらいだからきっと大丈夫だと思うのよ!」と言って下さったご近所さんの目に狂いナシ。

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お家の中は危険がいっぱい4
脚立を出して、ワンピース姿で一心不乱に高いところで庭仕事をしている姿が危なっかしいのか?庭木を丸く刈り込むことに腐心し過ぎているのが傍目にも伝わるのか?
庭の手入れをしていると、ご近所の方から頻繁に声を掛けられます。
中でも、毎度心配して下さるのが、ご近所の小桜さん(仮名)。
ひょろりと背が高く、いつも穏やかで働き者の小桜さんは、私たちふたりがご近所で最も親しいおじいさんです。
大きな脚立を貸して下さったり、電動の刈り込み機を持って来て下さったり、何かとお世話になっておりますが、先日、こんな会話がありました。
小桜さん「おっ!、芍薬かい??」

ひよさ「はい、毎年咲くんですけど、隣に植えてる芍薬が全然咲かないんですよね……」
そうなんです、この家に引っ越して来てから植えた2種類の芍薬の内1つが、一度も蕾を付けたことがないのです。
肥料は十分に与えているのに青々と茂るばかりの芍薬に、私、何年も今年こそはと手を焼いておりました。
刈り込み鋏を手にしていた小桜さん。
チョチョイチョイっと咲かない芍薬の葉を少し刈り込んで一言。
「イタメツケテおやんなさい……」
突然の黄門様張りのアドバイスに、私、笑いを堪えるのに必死でした。
来年は、咲くといいなぁ……。

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お家の中は危険がいっぱい3
いよいよ小枝を引き上げた染液に、晒を入れます。
グツグツと時間を掛けて煮上げると、真っ白な晒が、黄色く染まっているではないですか!!

しかし、喜んだのも束の間、色を定着させるために媒染液である明礬水に浸けたところ、

明らかに、布から明礬水の方に色が移動してしまうではないですか。

肝心の布は、薄らグレー……。涙
再び染液に戻し、明礬水に入れ、繰り返すこと5回。




求める黄色は、布に入っては消え、入っては消え……、





結果、しっかりとしたベージュ色に布は染まることとなりました。

(左から晒の白。豆乳処理していない晒を染めたもの。豆乳処理した晒を染めたもの)
嫌な色ではないけれど、確かに居たはずの黄色を布に止めること叶わず……。
しかし、今年はこれ以上南天の枝を刈り込むことは出来ないので、来年の剪定までに、のんびり作戦を練り直すことといたしましょう。(茂れよ南天!!)
気長な気長な実験ですね。
ちなみに、明礬水を作っていた琺瑯の鍋で、翌日、柿の葉を蒸したところ、予定外に鍋が黄色く染まってしまったという……。

染めたいのは、そこじゃないし!これは多分違う黄色だし!!
儘なりませんわね。

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お家の中は危険がいっぱい2
染色は数年前に藍染めにどっぷりと浸かったことがありましたが、以前からやってみたかったどころか、やりたくない事の一つだったというのが正直なところ。
ただ、あの枝の黄色を見たら、好奇心に抗えない……。

(枝の切り口の黄色は、乾くと見た目には消えます)
晒で縫った袋に、刻んだ小枝を詰めて水に浸けると、薄っすら黄色!!

水を足しながら、2日掛けてグツグツと煮ては冷まし、煮ては冷まし。




方法が合っているのかどうかも判らないまま、兎にも角にも始めたからには最後まで辿り着かねば終われない。
枝の総量くらい量っておけば良かったと気づいたのも煮だしてからのことで、凡そ4mくらいの枝の長さはあったであろうとぼんやりと思うばかり。
勢いだけで、概ね雑なんですね、性質が……。
染液を作る傍ら、染める晒は豆乳(呉汁を用意するのは大変なので……)に浸し、乾かし、下処理。
煮出した染液は、すっかり真っ黒に

そして、枝を入れた晒の袋にも黄色がしっかり入っています。


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お家の中は危険がいっぱい1
フラフラと遠いところに出かけてしまいたい気持になりますが、キュキュッといつでも急ブレーキが掛けられるような心持でいなくてはいけませんね。
さて、普段から在宅で仕事をしている私たちですが、こんなにも24時間ふたりっきりで過ごすようなことは大変に稀なことでした。
特に大きな喧嘩をすることもなく過ごしてはおりましたが、こうなって来ると、むしろこの特別な時間を有意義に使いたい!!
……が、案外上手く行かないもので、ふたりでもがき苦しんでおりました。
充実するのは、三度の飯とおやつの時間ばかりなり。
なんでだろう??
この機会にアレもやりたい、コレもやりたいが大噴出して大きな山が立ちはだかっている感じ。苦笑
元々お家好きの私たちには、家の中で出来る楽しみが多すぎるのかもしれません。(いや、楽しみじゃなくて、仕事をするべきなんですが……。)
仕方がないので、私は、新しく手を着けたくなることをむしろ避け、平常心を保つために、通常営業の庭の手入れを日課にしようと心に決めて動いておりました。

剪定した柿の葉は、

蒸して、


干して、

焙じて、


銅筒に詰めて、

お茶に。
サザエさんの湯呑みで、小休止。

更に剪定を進めて、柿の葉寿司を作るだけのつもりが、

(お弁当箱でザックリ)


(こはだをつまみ食いしたせいで、少し隙間が出来ちゃったけど、まぁいいか……。)


半日置いている間に、もう少し種類が欲しくなり、

甘海老の押し寿司も作ることになり……、

(ギュッ!)

結局、当初の目的からは遠く離れたイクラの軍艦にまで手を伸ばし、

庭仕事なんだか?台所仕事なんだか??
ついつい予定外の仕事を増やし気味です。
庭の剪定中には、こういうものも、出てくるわけで、

(南天の樹皮の下に、鮮やかな黄色!!)
コレって染められるんじゃ??
調べてみれば案の定。
むむむむむ、たった今、染色がしたいわけじゃないんだが、染まるかどうかの確認はしたい!!
草木染め?媒染?ミョウバン??白い布の手持ち?う~~~~ん、材料家に揃ってるんじゃ??
もう、自分に対して嫌な予感しかしない……。

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マスクも夏物へ
少し前に、ご近所の魚屋さんに行ったところ、魚屋のオバちゃんから「次亜塩素酸作ってる??」と声を掛けられました。
「電解水あげるから、1週間したらまた取りにおいで!!こういう時はお互い様よ!!」と2リットルのペットボトルをドンと手渡され、それ以来、我家の食卓には週一でお魚が並ぶようになっています。
ありがたいことです。

マスク……と言えば、先に手づくりマスクの記事をアップしましたが、サージカルマスクが容易に手に入るようになった現在も、私はちょこちょことマスク作りを続けております。




小倉充子さんの手ぬぐいだけでなく、工房カモの鴨川志野さんの手ぬぐいからも♪


特に最近は暑くなって参りましたし、マスクも衣替えした方がいいんじゃないか??と、暑さ対策に頭をひねっております。
目の粗いすぎる生地では飛沫予防にはならないし、涼しくて、洗いやすくて、肌にあたってもカサカサしなくて、型崩れもしない生地は無いものか??しかも手持ちのもので……。笑
そんな調子で、端布の箱をひっくり返しましたところ、ありました!とても良いものが、ありました♪
新之助上布さんの綿麻生地。
実は、小倉充子さんが絵羽キモノを染められる際にテスターとして染められた布があまりにも素敵だったので、端布を少しだけ頂いていたのです。
表綿麻1枚にガーゼ3枚バージョン



綿麻1枚+ガーゼ1枚+綿麻1枚バージョン


試作品を着けたところで言うと、どちらもこれまで作って来た「手ぬぐい地1+ガーゼ4枚」より軽くてかなり涼しい♪
ただ、表裏を綿麻にしてガーゼ1枚を内側に入れたものは、若干飛沫予防としては目が粗いカモ……??汗
ガーゼより綿麻の方が肌への貼り付きが少なく、体感として布の温度を冷たく感じるので、『表地を手ぬぐい地1枚+内側綿麻1枚』がもしかすると一番合理的なのかもしれない??
そんなことをつらつらと考える毎日です。



こちらの3枚は、ドイツからコロナ見舞を送ってくれた友人に、日本からのお見舞として送ったマスク。
それも4/2に一部地域宛の国際郵便が停止されるより前のこと。
メールやSNSやスカイプを使って簡単に連絡は取れますが、国際郵便は早く回復して欲しいものの1つですわ……。

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甘やかしの発動
相方のひよさです。(^^ゞ
ご心配おかけいたしましたが、今はすっかり元気になっております。
1月中旬に無事手術を終え、出てきたところでコロナ禍の兆し。
人工呼吸器を使ったことで、肺炎を起こすリスクが高くなっていたため、我家は早々と自粛態勢に入りました。
用心に用心を重ねて術後の外来に通っていたものの、
その通院帰りに昼食で立ち寄ったビルで、コロナの集団感染があったことを後になって知り青ざめ、
ようやく4月の頭に最後の検診をして病院通いも終わるハズ……と思っていた矢先、手術を受けた病院内でコロナ発生。
結局、最後の検診は出来ないままになってしまいましたが、必要な行動だけをしていても、身近なところにコロナは迫っているのだとひしひしと感じております。
今の状況に、広島へ介護に帰ることを足止めされていること以外では、殊更大きな困難を感じているわけではありませんが、いつもと同じかと言えば、やはり同じではなく、奇妙な感じで気忙しく、いつも以上に時間が足りないと思う日々。
具体的に何が足りないかと聞かれれば、概ね不足も無いのに、何かが欠けている……。
つい先日のこと、近所のケーキ屋さんで、支援のつもりでケーキを買いました。
家に帰ってコーヒーを入れて、ケーキを口に含んだら、びっくりするほどこれが美味しかったんですね。
今まで、何度も食べたことのあるケーキなのに、格別に。
嗚呼……、自分が想像している以上に、こういうものに自分が飢えていたのだということに気づかされる出来事でした。
なんだろう、甘いお菓子の話ではないのです。自分に対する『甘やかし』みたいなもの。
コロナの終息はまだまだ先が見えず、私たちはこれから自分でも気が付かないようなゆるやかな負荷を自分自身に掛けることになるでしょう。
時折『甘やかし』を自分や他人に発動することが、この異常事態を乗り切る術なのではないかと、思っている次第です。
写真は本日の『甘やかし』。


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お江戸の小正月2
「私もね、お嫁に来た時にはびっくりしたわよ。だって実家じゃサラサラの小豆粥だったもの・・・」と話されるのは充子さんのお母様。
「甘いしね、ドロドロだし、この人のお母さんなんて、食べる時に更にお砂糖振って食べてたって言うのよ。」
「でもそれがね、充子も言うけど、なんだか食べたくなるのよ・・・。」
うんうんと首を縦に振られるお父様。
「このあたりでもうちの親戚くらいっきゃ食べるって聞かないね。」
再び、お母様「15日に炊いてね、16、17日と置いて、18日にね食べるのよ。18日が最後。でもね、それが何でだか解らないのよ。」
横からお父様が「もう、解る人がいなくなっちまった・・・。」
ひとしきりお話を伺った後に、調理の開始です。
ガスの上には、白粥と小豆がそれぞれの鍋で炊かれて待機しております。
ひ「この小豆は甘いのですか??」
充子母「ううん、ここではまだ砂糖は入って無いのよ。茹でただけ。お赤飯にだって使えるわ。」
ぐつぐつと煮えるお粥の中に、小豆とその煮汁が投入されて、あっという間に実家でも見覚えのある小豆粥の様相となりました。
・・・が、ここからが違いました。
お米と同量あるいはそれより多い??と思われる量の細かく切ったお鏡餅が投入されるのです。驚

ぐつぐつを超えて、お鍋はグラグラと煮立ち、お餅はユルユルと溶けて、水分はどんどん飛び、粘りが出てドロドロです。

ここでお砂糖投入!!
おお?結構入るけど想像していたよりは少ないかな??
すかさず充子さん「昔通りにやってよー。加減しないで!!初めて作るの手伝うんだから、ちゃんと教えてよーー!!」
充子母「まぁ、こんなもんよ。適当にやりなさいよ、適当に!え?そうなの?うーん、じゃあ、もう少しね入れるかね・・・。」
お砂糖追加。笑

母と娘のやりとりを横に、お鍋の中は、お餅とお米が混然一体となって、ポッテポテの糊のような仕上がりです。
頂きま~す。

こ、これは、生まれて初めて食べる強烈な糊状の食感。驚
一度にたくさん口に入れると、溺れてしまいそうです!!
しかし・・・あれ・・・あれれ??美味しい!!
実は、私、お汁粉やお善哉があまり得意ではありません。
甘く炊いた豆も苦手でございます。
ですから、この日は、苦手であるかもしれないことを覚悟して望んだのですが、これは美味しい!!
確かに甘いお粥なのですが、小豆部分が甘くないことで、ただただ甘いだけではなく抜け感があるんですね。
ひ「私、善哉やお汁粉より、こっちの方が美味しいと思う!!」
充「ね、意外とイケルでしょう~♪笑」
充「前から1回試してみたかったんだけど、ちょっとだけ塩入れてみたいんだよね。」
ひ「塩気のある大福が美味しいみたいな感じだね♪」
よしよしとばかりに、パラパラと塩を入れて一口。
「う~ん・・・。塩要らないね。」
そのままの方がずっと美味しいと意見は一致。笑
恐る恐る食べた小倉家の小豆粥でしたが、結局お代わりをし、更にお土産として頂いて帰る程でありました。
頂いたお粥はきっちり18日にうにさと一緒に食しましたよ♪
帰宅後、小正月の小豆粥について調べてみたところ、『一月の行事レシピ』という面白いサイトを発見しました。
江戸時代に書かれた『守貞謾稿』には江戸では砂糖を入れ、京阪は塩を入れて食べていたと記されているようですよ♪
1月15日と18日の項を読むと、小倉家ではお江戸の古い習慣が続いていることが解りますね。
ちなみに『十八粥』というのは、新年の季語でもあるそうです。

写真は小倉家の台所にあった竈神の神棚。
赤い御幣って大神神社の赤御幣くらいしか知らなかったのですが、竈神にも飾るものなのですね。
ちなみに、我家では何故だか竈神にだけは三段の鏡餅をお供えします。理由は、祖母がそうしていたからとしか言いようがないのですが、ご存知の方がいらっしゃいましたら、お教え下さいませ。(形もちょっと変わっていて、下から大・小・中のサイズ。)
いろいろと勉強になった楽しい一日でした。
小倉家の皆様!ありがとうございました!!

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