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キモノは別腹

コンビのイラストレーター『スタジオクゥ』の イラスト付きキモノよもやまと無駄話                                    

ふみゑさんのお話5

そんなふみゑさんの白衿姿は、冠婚葬祭以外では、ほとんど見たことがありません。
汚れが目立つ白衿は、日常着としては不向きであったのだと思います。

そして、私に用意してくれるキモノにも、白衿を合わせることはありませんでした。
色の入っているものであったり、白ければちょっと刺繍が入っていたり・・・。

おかげで、私は未だに白衿が苦手です。

ヤマボウシ

お世辞にも白いとは言えない肌色ですし、顔のまわりが、ピカピカ光っているような気がして、落ち着かない、見慣れない、着馴れない・・・。苦笑

現在、お茶を始めて白衿修行中ですが、完全な白襟を使ったことがあるのは、これまでに数回だけ。両手で数えられる程の回数です。

手持ちの白と呼べる半衿は、1年を通して3枚のみ。

ベーシックな白衿は、私にはなかなか高いハードルなのでした。
三つ子の魂百まで・・・段階を踏まねば、慣れるのは難しそうです。

大正8年ふみゑさん10歳の年

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ふみゑさんのお話4

ちょっと面白い写真を1枚。

ふみゑさん昔々の宮島へ

場所は宮島の鳥居の前、潮が引いて鳥居まで出来た干潟の上です。
家族でお出掛けの古い写真ですが、残念ながら私はまだこの世におりませぬ。苦笑
故に、画面向かって右側は母やすことチビ助の兄です。

さて、ふみゑさんのお話の続きを・・・
そんなふみゑさんですが、日常キモノの人であったためか、キモノに関しては、意外とNOルールというか、鷹揚というか、自由であったように思います。

帯の右巻き左巻きは、帯の柄次第でしたし、羽織や上っ張りをはおっている時など、背中にお太鼓がついていないことも儘ありました。
簡単に言うと、作り帯の前帯だけをしているに近い状態です。(究極のうそつき帯・・・苦笑)

恐らく、家事をするには、帯のうしろが無い方が動き易くもあったのでしょう。

冬の寒い日には、キモノの上に裾まであるロングスカートをすっぽり穿くというヘンテコなスタイル。
その上に、更に長い前掛けなどして、今思えば、かなりキテレツな恰好ではありますが、当時は違和感無く受け入れておりました。

ちょっとくらい裄が合わないキモノを着る時の解決方は「肘をちょっと曲げて、手を短くしてなさい!」というものでしたし・・・いちいち直すのが面倒だっただけに違いない。苦笑

いい加減なようにも見えますが、日常着のあり方としては、正しいのかもしれませんね。

大正7年ふみゑさん9歳の年

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ふみゑさんのお話3

ふみゑさんは、いつも何かを作っておりました。

ふみゑさん干し柿を作る
(写真は私が生まれる少し前のこと、大量に干し柿を作っているふみゑさん。)

我家は共働きであったため、母やすこが定年を迎えるまでは、基本的な家事はふみゑさんのお仕事。

毎日おいしいご飯を作り、普段着る洋服に始まり、夏には浴衣を縫い、冬にはセーターを編み、半纏を作り、お正月用に着物を仕立て、果ては、私の人形のコートや帽子まで作り、それらのものは、いつも工夫と遊び心に溢れていて、私は身につける度に誇らしく思ったものです。

私にとっては、彼女はMs.パーフェクト。

やすこが定年を迎えた後、家事から離れたふみゑさんが殊更に熱中したのが編物。

実は、私の衣料品の中で、キモノと肩を並べてカサを誇示しているものがあります。
それが、ふみゑさんの手によるセーター類。

その量、ロングの衣装ケースに10個分。
枚数にすると、1ヶ月毎日違うセーターを着ても間に合わない程です。

ふみゑさんの編んだセーター

キモノの上にセーターを着られないのが、本当に残念ですわ。苦笑

ちなみに、ふみゑさんの編物攻撃は、私だけに止まらず、親類縁者をくまなく渡り、果ては、うにさやともこさん(うにさのお母様)にまで、進軍したのでありました。

うにさの分まで合わせれば、キモノは惨敗、セーターの圧勝です。

住宅事情圧迫!引越困難!!

でも、大事なものですから、棄てたりは出来ないのです。

多分、これからもずっと一緒です。

セーターを一日1枚

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ふみゑさんのお話2

私が中学生の時、冬休みの宿題で『働く人』を描くという課題がありました。
自堕落な私は、こたつに足を突っ込んで寝そべりながら、姐さん被りをして台所に立つふみゑさんの後ろ姿を描いた覚えがあります。

その絵が『気味が悪いほど似ている・・・』(一応、本人は誉め言葉として受け取りました・・・汗)とまで言われたのは、それが毎日目にする風景のようなものだったからなのだと思います。

キモノ姿のふみゑさんのいる台所は、いつもいい匂いがして、私が一番安心出来る場所でした。

姫檜扇水仙

容易に体をキモノと一体化出来るふみゑさんでしたが、唯一不便があったように思います。
それは、背中を掻くこと。

何度「あ~孫の手、孫の手」と呼ばれて、衿から手を入れて背中を掻かされたことでしょう。(確かに本物の孫の手ですわね。笑)

観光地の土産物屋などで見掛ける『孫の手』は、キモノ文化の中で、必要にせまられて作られたヒット商品であったに違いない!と、思う私です。(ホントかな・・・?)

大正3年ふみゑさん5歳の年

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ふみゑさんのお話1

ふみゑさんは、今ではすっかり洋装の人ですが、私が高校生の頃までは、キモノを日常着としておりました。

出かける時に、洋服を着るようなこともありましたが、家事は全てキモノ、寝るのは浴衣、下着だってパンツやズロースなんてはきません、当然のごとく腰巻1枚。

腰巻に紐なんてまどろっこしいものは付いてやしません。
シーツみたいなただの四角い布1枚。

朝顔1

??ブラジャーですか?そんなものは見たことも聞いたこともございませんよ。笑

明治42年ふみゑさん誕生の年

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100年に1度の日

さてさて、この日本髪を結った女性、いったい誰でしょう?

ふみゑさんとつかささん

私の最愛の人、祖母ふみゑさんです。
なかなかの美人でしょう♪

明治42年生まれで、今年の7月20日本日、100歳を向かえます。

昨年は白寿の祝いで、春に子ども世代(私の親世代)、夏には孫・曾孫連で宴を催しました。

うにさのお婆様みささんのお話は幾度となくして参りましたが、100歳記念に、しばしふみゑさんのお話をしてみたいと思います。

(注:以前にも書きましたが、私の祖母2人は、両人ともに音で表すとfumieとなります。ややこしいですが、ブログ内では父方の祖母をふみゑ、母方の祖母をふみえと記しております。)

100歳おめでとうございます

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プロフィール

ひよさ

Author:ひよさ
コンビのイラストレーター『スタジオクゥ』のひよさです。
近頃は更新が滞り気味ですが、お気楽キモノのブログとしてスタートしたこのブログも、開設から16年目へと突入しました。相変わらず、相棒うにさと、女ふたりの同居生活をしながら、コミックエッセイを描いたりしています。ブログでは私ひよさが文章担当。イラストをうにさが担当。時々アップされる『うにさの別パラサイト』もお楽しみに♪
鼻緒のご紹介は主にInstagramとTwitterに上げています。
Instagram@studiokuu_hiyosa_unisa

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ひよさ@kimonobetsubara

うにさ@unisastudiokuu

About STUDIO Kuu(中文)

HIYOSA與UNISA是插畫家搭檔。 HIYOSA是個和服狂熱者,正實踐著「和服生活」,將和服融入日常。 UNISA雖然無法憑一己之力穿和服,但她繼承了許多家人的和服,是一個對和服頗有好感的和服新手。 HIYOSA與UNISA從2007年開始經營和服部落格「買和服是另一個錢包」,大受歡迎,因此融合漫畫與散文,創作了《和服女孩 日本微旅行》。 兩人不只是工作夥伴,在生活中,也是日本少見的合租室友。 她倆從2013年的冬天開始,在網路藝文誌MATOGROSSO連載的漫畫「一人的兩人生活」,將於2014年冬天由日本出版社EAST PRESS出版成書。

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